1 エルシノアMT125について
昭和48年(1973年)5月にホンダよりエルシノアMT250と共に発売されました。1970年前後にはじまったモトクロスブームを背景に公道走行可能なオフロードスポーツとして生まれました。
市販モトクロスレーサーのエルシノアCR125Mをベースに保安部品を取り付けたモデルです。エンジンは空冷2ストローク単気筒、排気量123cc(13psの出力)、6ポート・ピストンバルブタイプで低速域から高速域まで幅広い出力特性を持つとともに加速時にすぐれたレスポンスが獲られます。また放熱効果にすぐれたアルコシリンダーが採用されています。軽く剛性の高いマグネシウム合金製クランクケースカバーやバッテリィ―を外しても始動できるマグネトー点火方式・プライマリーキック方式も採用されています。
フレームはセミダブルクレドールフレームに搭載されました。5速ミッション、前21インチ、後18インチホイールでエンジンオイルは分離給油方式です。
2 整備箇所
①キャブレターの分解・清掃
アイドリングが不安定だったり吹け上がりがやや精彩を欠いていましたのでキースターのオーバーホールキットを使用して分解・清掃を行いました。その後は安定したアイドリングと気持ちの良い吹け上がりになりました。
3 この個体の魅力
なんといっても軽い車体にパワフルな2サイクルエンジンが魅力的なバイクです。エンジンが吹けあがっていくときの2サイクル独特の青白い煙と音は昔を知る者としては何とも言えません。ブレーキの効き等現代のバイクにはかないませんがバイクを手の内で操っている感覚はとても素敵です。
4 気になるところ
仮ナンバーで公道を試乗しましたが走る、止まるについては特に気になるところはありませんでした。燈火類も正常に機能しています。ただタイヤが山はありますが経年劣化のためひびが入っているところがあります。もちろん空気漏れはありません。