1 DAX HONDA ST70 について
DAXは1969年に「しゃれたデザインの、まったく新
しい2輪車」のコピーのもと発売されました。MIGHTY
DAX ST70やNAUTY DAX CY90などの個性的なモデ
ルも存在しました。
今回ご紹介するモデルは、ライトと分離したメーター、
補助フレームとクランクケースプロテクター、フロントの
オイルダンパー式ショックアブソーバー、車台番号等か
ら、あくまでも推測ですが1972年に発売されたダック
ススポーツⅡになるかと思われます。車体色が白でステッ
カーがホワイトダックスのものが貼られていますが、シー
トは花柄ではなく黒色です。ボディの色かえをしたか、ホ
ワイトダックスのシートを取り換えたのではないかと推測
されます。いずれも実車の状態で御判断ください。
マニュアルクラッチのロータリー式4段ミッションで、
マフラーはアップマウントタイプとなっています。スポー
ツⅡであるならば、排気量72cc、4サイクルOHC、
最高出力6.0psのエンジンが搭載されています。
2022年には、再びダックスブランドが復活しまし
た。排気量は123ccとなり、インジェクション化され
るなど中身は全く別物となりましたが、愛くるしいスタイ
ルは継承されました。当時を知る者としては、懐かしく嬉
しく思います。
2 整備箇所
①キャブレターのオーバーホール
アイドリングが不安定でしたのでオーバーホールを実
施しました。結果、始動性の向上、安定したアイドリン
グときれいな吹け上がりになりました。
②ガソリンタンクの錆び取り
タンクに若干の錆が見られましたのワコーズのピカ
タンで処理しました。
〇処理前
〇処理中
〇処理後
②バッテリー
新品のバッテリーに交換
3 この個体(モデル)の魅力
①4速マニュアルミッション
自働遠心クラッチの3速の気楽さはありませんが、当
たり前ですがバイクを操り爽快感はマニュアルが勝りま
す。各速度域に合わせて適切なギアを選択することによ
って得られる加速感は、いくつになっても気持ち良いも
のです。
②安定感のある車体
この時代のミニバイクの中でも、小柄で低重心でホイ
ールベースが長いため、不整地(林道や河原)をトコト
コ楽しむことが出来ます。もちろんオフロード車のよう
にはいきませんが、自分のペースで、のんびり、ゆっく
り楽しむことは出来そうです。
③70年代の雰囲気
ピカピカの個体ではありません。各所に年式相応の傷
や錆は見られますが、よい雰囲気を持っていると感じて
しまうのは、その時代に青春を過ごしたからでしょう
か。まったく個人的な感想ですみません。
4 気になるところ
機関では公道を試走しましたが問題を感じませんでし
た。
外装で次の通りです。
①ホイールが純正のシルバーではなく赤で塗装
②サイドグリップが欠品
③フロントフェンダー前方の穴
④エアクリーナーのスポンジが欠品
⑤左ステップゴムの減り
5 動画
小排気量4サイクルエンジンの歯切れのよいサウンドと愛くるしいスタイルを御覧ください。