1 ヤマハ DT125 空冷について
AT1の後継車として1973年に発売されました。軽量でパワフルな空冷エンジンを搭載し、秀悦なサスペンションで、当時の林道で活躍しました。
生産中には次にあげるような数回にわたるアップデイトが実施されました。
①リアサスペンションをモノクロサスに
②5速ミッションを6速ミッションに
③スネルカム式チェーンアジャスターの採用
④フロントフォークをリーディングアクスルに
⑤前後サスペンションのストロークのアップ
⑥フロントフェンダーのリメイク
⑦角型断面スイングアームの採用
⑧CDI点火の採用
今回のモデルは、全てのアップデイトが実施された最終型になります。CDI点火のため、ポイントの清掃、調整が不要となりメンテナンス性も向上されています。
最終型のスペックは次の通りです。
エンジンタイプ:空冷2ストローク・ピストンバルブ単気筒
最高出力:14ps/7500rpm
最大トルク:1.4kg・m/7000rpm
車体重量(乾燥重量):99kg
現代の林道でも活躍が期待されます。
2 整備箇所
①ガソリンタンクのコーティング
ガソリンの漏れがありましたので漏れ止めと、ワコー
ズのタンクライナーで内側の処理をしました。漏れは止ま
りました。
②バッテリーの交換
バッテリーを新品と交換しました。
3 この個体(モデル)の魅力
①最終型であること
1でも書きましたが、全てのアップデイトが実施され
ています。外観で特に目立つのは角型断面スイングアー
ムでしょうか。
②タンクの錆びのなさ
漏れはありましたがタンク内に錆は見られませんでし
た。保存状況が適切だったようです。
③よい雰囲気の佇まい
塗装はオリジナルですが、ピカピカではありません。
70年代から80年代のオフロード車の雰囲気がありま
す。
4 気になるところ
機関は気になるところはありません。
外観は、経年劣化による錆や色あせがあります。特に黄
色が影響を受けています。また、左フロントフォークカバ
ーの破れ、ガソリンタンク、スイングアームやフェンダー
に細かい傷が見られます。
5 動画
公道を試乗しました。2サイクル、125ccエンジンは今のバイクたちにはない豪快さと激しさに満ち溢れています。はじけるような2サイクルサウンドと軽快な走りをご覧ください。