1 富士重工 ラビット90 ハイスーパーS211について

 

 生産時期  1967年から1969年ごろ

 エンジン  ES32A型2サイクル

       ロータリーディスクバルブ

 排気量   87cc

 最高出力  5.5PS×6000rpm

 最高トルク 0.78kg×4000rpm

 ラビット90ハイスーパーは、富士重工(現スバル)が1946年から発売したラビットシリーズの最後を飾ったモデルです。レトロな鉄スクーターでありながら、12ボルト電装で、なんとセル付きです。整備性がよく、軽くて走りもよく、またまた、なんとシート下に収納もあります。ギアは自働遠心クラッチのハンドチェンジ3段です。ギアの配置は、下から1速、ニュートラル 2速、3速です。走り始めは手首を前方にひねって1速に入れます。この時クラッチを握る必要はありません。そのままアクセルを吹かせば走りだせます。走りだした後に、変速する場合はクラッチを握る必要があります。シフトアップには手首を後方に、シフトダウンには手首を前方にひねります。言葉にすると、なんだかややこしいですが、実際のハンドチェンジは、いかにもレトロスクーターといった感が満載で、愉しく、煩雑ではありません。

 

 

2 整備箇所

 エンジンはセルでかかり問題は感じませんでした。その他の部分も機関的には問題はないと判断しましたので、特別な整備は行っていません。

 

3 この個体(モデル)の魅力 ※1でも書きましたが

①ハンドルチェンジ

 

 

②12ボルト電装でセルモーター付き

③シート下収納

④柔らかな乗り心地のサスペンション

⑤混合ガソリン

 このモデルには2サイクルオイルポンプは装備されていません。ガソリンタンクに直接2サイクルオイルを入れる必要があります。混合比は、ガソリン対2サイクルオイルで、 

25対1です。ガソリンをタンクいっぱいに入れずに少し余裕をとっておき、1リッターのガソリンに対して40ccの2サイクルオイルを直接タンクに入れる必要があります。計量カップ、2サイクルオイルとウエスをシート下収納に入れておきましょう。んーレトロスクーター感ありますね。

 

 

4 気になるところ

 機関では特にありません。

 外観では塗装はオリジナルではありません。また、カラーリングも純正とは異なります。大きなへこみ等はありませんが少し深めの傷とあまりきれいではない補修跡があります。また、フロントウインカーの色あせ等があります。全体ではいい感じのレトロ感がでていると思います。

 

 

5 動画

 1960年代後半の2サイクルサウンドをお聞きください。