弥生読了。 | ヘッドレス主義日記 ~あたま、かるく~

ヘッドレス主義日記 ~あたま、かるく~

当方四弦。フレットあり、ヘッド無し。
場合によって、フレット無し。

毎度です。


ようやく読了記事です。
我ながらマイペース過ぎる…

先月は9タイトル計10冊でした。




「肉弾」河崎秋子著
最近はまっている河崎秋子さんの作品。
北海道舞台で羆がモチーフ?ということで、吉村昭の「羆嵐」を想起したが、こちらはあくまでもフィクション。
かいつまんで言うと、引き籠り青年が、父親と鹿狩りに行き、その延長で?熊撃ち、そこで父親が羆に襲われ…という話。
河崎さんの作品にしては、少し展開が漫画チックというか…少しご都合主義過ぎるかな。
ただ、その筆致は相変わらずハードボイルドで荒々しく硬派。
やはり、最近あまりみないタイプの作家さんだなぁ、と。
また他も読んでみます。


「東京大空襲」早乙女勝元著
3月といえば東京大空襲、ということで読んでみた。
何人かの生存者の証言を並べたもの。
ただ並べただけだが、それだけでもの凄い迫力というか…
正直文章としての素人くささは否めないが、それが空襲体験の真実味を薄めるということはなく、むしろ鬼気迫るものとして感じられる。
地下鉄東西線の工事現場で発見された防空壕跡の遺骨のエピソードは、現代と地続きなんだなぁと思わされた。


「一人称単数」村上春樹著
初めての村上春樹作品。多分。
短編集ということだが、エッセイ的要素も結構ある印象。
個人的に、めっちゃ刺さったということはなく…なんか不思議なテイストだな、と。
やはり長編のほうが「らしい」のかな…?
まぁまた機会あれば。


「0から学ぶ日本史講義 古代篇」出口治明著
日本史を分かりやすく講義するテイの作品。
世界史に強い作者らしく、海外との関わりを絡めつつ、非常に分かりやすく読み進められる。
ただ、砕けた感じを出す為であろう関西弁が、正直違和感(苦笑)
でもおもろかったよ。続編も読んでみます。
それから、かなり前に読んだ「全世界史」の下巻も読まなきゃね…


「はだれ雪 上下」葉室麟著
葉室さんによる「赤穂浪士」もの。外伝的な?
架空の藩が舞台なので、いまいちリアリティに欠ける部分はあるが、他とは違った視点からの「忠臣蔵」は新鮮でした。
結末がハッピーエンド過ぎるけど、それ故の爽やかさは、やはり心地いい。


「太平洋食堂」柳広司著
明治時代の社会主義者をモチーフとした作品。
主人公の大石誠之助の魅力を描くことに尽力し過ぎて、ストーリーがちょっと疎かになった印象…
ストーリーというか、当時の社会主義者の境遇というか。
あまり有名ではない人物(だよね?)なので、思わずその人の魅力を描き過ぎた感はあるが、それ故興味を持つきっかけにはなったかな。


「グループサウンズ」近田春夫著
近田春夫さんによるグループサウンズ本。
色々なバンドを紹介したりその歴史を紐解くというよりは、主要な数バンドを中心にして全体像を掴む感じ。
微に入り細に穿つ様な本もいいけど、こういう、ある意味、大雑把な感じのほうが本質を掴み易いかもね。
後半の対談も色々と興味深かった。


「たそがれ夕便局」栗栖ひろ子著
現在・過去・未来のいつでも、そして誰にでも手紙を出すことが出来る、というファンタジーもの短編集。
正直設定がちょっと甘いところもあるけど、ほっこり優先なので、あまり気にせず(笑)
ちょっとした空き時間に読むのにちょうどいい作品、かな。
文学性や芸術性もいいけど、こういう空き時間や心のちょっとした隙間を埋めてくれる様な作品も大事だね。


「献灯使」多和田葉子著
所謂ディストピア小説。
老人は頑強で若者が病弱という世界観は、震災後、もしくは原発事故以後を意識した設定か。
近未来の日本が舞台のはずだが、その描き方が少しふわっとしてるのは、作者が海外在住だから?と思ったり。
設定はしっかりしてると思うけど、そのふわっとした雰囲気と、シュールな表現?から御伽噺の様な印象も。
シュールというか、イメージで遊んでる感じかな。
とにかく、不思議で、ちょっと不気味な作品。




先月は割と読んだな。
後半寝込んだ時に結構読んだもんね…






先月の新入荷。