今日は婚姻届を提出するため
彼の本籍のある市へ出かけます。
ノウゼンカズラの咲く季節になりました。
部屋を出て真夜中の高速を走る。
明け方、ふたりの好きな曲が終わるとき
高速を降りる。
朝日に照らされて綺麗だった。
彼の実家に挨拶して市役所へ。
受理されるまでドキドキしたけど
無事に結婚しました。
それからお昼を食べて
水族館へ。
お土産屋さんでかわいい
ぬいぐるみを買ってもらった。
それから前回と同じ海岸へ。
その駐車場であの人と会った。
同じ市に5年間住んでて
会いたくて会えなかったあの人に。
じっと私と目が合った。
少しやせて、印象が変わってたあの人は
にこりともせず、険しい表情のまま。
挨拶もせずただ数秒目を合わせてた。
私は彼と、鳴らすと幸せになれるという鐘を鳴らした。
帰りの車のなか、泣きたくなった。
隣でいつも通りの彼。
どうして今日会えたのだろう。
うれしくて、なつかしくて
悲しくて、でも秘密の恋だった。
不思議な気持ちのまま
私の実家へ挨拶して
彼の部屋に帰る。
