僕が高校生の頃、我が家にミニチュアダックスがやってました。


その名はキャンディー。オスなのにキャンディーというなんだか可愛らしい名前をつけられたやつは、その名前とは裏腹にかなりやんちゃに育っていきました。学校から帰ってくると散歩に連れてってくれと吠え、部屋にいるとドアをガチャガチャやって開けろとせがみ、遊んでくれとボールを持ってくる姿が可愛くてしかたなくて。ずっと弟が欲しいと思っていた僕は、なんだか本当に弟ができたようなそんな幸せな気持ちにしてもらっていました。というか実際に僕はキャンディーのことを弟だと思っていました。


家族と喧嘩して部屋に閉じこもってるときには部屋に来て一緒にいてくれました。


僕が女の子にふられて泣いてるときにはベロで涙を拭いてくれたりもしました。




佐野泰臣オフィシャルブログ 「へたれめ」













そんな弟が病気で亡くなってしまったときは、残念ながらお別れがちゃんと言えなくて、なんだか天国にいってしまったことが未だに実感できずに、今では僕のランニングコースになったキャンディーの散歩コースを走っていると「あいつ元気にしてるかな?」なんてことをふと思ったりして。実家に帰ればしっぽをぶんぶん振りながら出迎えてくれて また普通に会えるような、そんな気がしていました。





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それから年月は流れ、へんてこな縞模様の猫がうちにきたり、ここにブログを書かせていただくようになったり―。










そんな中、
正月に帰れなかったので先日 改めて実家に帰ったのですが、そのとき駅まで僕を迎えにきた母ちゃんがなんかを抱いてました。




















キャンディーだ。

















おいキャンディー、キャンディーだろ? お前こんなとこで何やってんだよ。 元気にしてたか? お兄ちゃんな、お前にずっと会いたかったんだよ。いまロッキーっていうやつと一緒に暮らしてんだ。変わったやつでさ、お前と会わせてやりたかったんだよ。














気が付くとそんなことを言いながら、いつもは強気な振る舞いをしてしまう母親の前で号泣していました。













母ちゃんはそんな僕を笑いながら、そいつが最近実家にきた新しい家族なんだということを説明してくれました。よく見ると確かにちょっと違いますが、しっぽをぶんぶん振りながら人懐っこく僕の顔をなめ回すところなんてキャンディーそっくり。初めて会った気がしませんでした。











名前は金太郎。



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こいつを通じてキャンディーに言えなかったことが全部伝えられました。












相変わらずうちの家族のネーミングセンスには疑問が残りますが、素直に新しく増えた家族と仲良くなりたいと思います。







金太郎。ありがとう。
今度うちのロッキーを紹介するよ。