ヒップホップには普通の人にはわからないであろう色んな専門用語があります。

例をあげると、最近若い人の中で浸透してきている「dis (ディス)」という言葉。もともとは「disrespect (ディスリスペクト)=侮辱する、軽蔑するなどという意」。の略ですが「dis」だけでもそういう意味で使われます。
その他には「ill (イル)」。本来は"病気"という意味ですが、ヒップホップではポジティブな言葉として使われていて、"いっちゃってる"とか"病んでる"という意味です。日本語でいうと「やばい」が一番近いですね。
続いて「dope (ドープ)」。これまた"麻薬"という意味なんですが、"(病み付きになるほど)格好いい"とか"(癖になるほど)良い"とかそういう意味で使われます。




以上のものを応用すると



息子 「母ちゃん今日の納豆の味噌汁マジ イルドープだね」
 母  「でもお父さんの口には合わなかったらしくて、さっきディスられたわ」



もしかしたら食卓でこんな会話をする時代が来るかもしれません。







序文が長くなりましたが、本題はここから。


今回のタイトルにさせていただいた「レペゼン」という言葉がありまして、「Represent(リプレゼント)」の略語で、"~を代表する"とか"~出身"という意味で使われます。つまり「レペゼン渋谷」は「渋谷の代表だぜ」という意味になります。「レペゼン045」と電話番号の市外局番を使って「横浜代表」と表す応用編もあります。


ヒップホップにおいてこれがとても重要で、自分のチームやグループや故郷をアピールすることで、自分だけでなく仲間や地元を一緒に盛り上げる効果があるんです。そうなんです。いわゆる「地域密着型」なんです。
本国のヒップホップの歴史と絡めて説明すると とても面白いのですがそれを書くと途方もなく長くなるので今回は飛ばしますね。


日本の各地にも地元をレペゼンするヒップホップアーティストがいて、先日も映画『サウダーヂ』のブログ記事で紹介させていただいた山梨のSTILLICHIMIYA(スティルイチミヤ)、横浜のOZROSAURUS(オジロザウルス)、千葉のMr.OMERI(ミスターオメリ)、茨城水戸のLUNCH TIME SPEAX(ランチタイムスピークス)、名古屋のM.O.S.A.D.(モサド)、仙台のGAGLE(ガグル)、復活を発表した九州熊本の餓鬼レンジャーなどなど、他にもたくさんいらっしゃいますが、皆さん自分の地元を大事にしていて、方言を使った個性的なラップだったり、曲作りの方向性だったり、その地域その地域でそれぞれの様々なスタイルがあるんです。





上記の方々の曲も本当にオススメですが、今回ぜひともお聴きいただきたいのは北陸・富山のDJ ISSAYとFRESHのこの曲。潮の香りのする浜辺の団地を歌い上げている素敵な曲です。


「浜辺の団地 REMIX」 / FRESH





このPVでも見せてくれていますが、どこか懐かしい爽やかなトラック(曲)と土臭いならぬ潮臭いリリック(詩)が正にそこの風景を想像させてくれますよね。何より富山に行ってみたくなります。
噂によるとどうやらフルバージョンがシングルカットされるらしいですが、DJ ISSAYさんの「HOOD UP!! 」というアルバムにも収録されています。富山のヒップホップ、要チェックやで!


$佐野泰臣オフィシャルブログ 「へたれめ」








このように「レペゼン」することはヒップホップにとっての美学であり、必要不可欠なんです。皆さんも良かったら明日から自分の地元・学校・会社をレペゼンしてみて下さい。「レペゼン○校!」「レペゼン○○商事!」



超イルでドープな生活があなたを待ってる・・・




かもしれません。ヽ(´ー`)ノ