目が覚めたら停電していた
当たり前の世界が当たり前でなくて戸惑う
先延ばしにしていたもろもろに
そろそろ着手するよう回避人生に強制終了がかかったようだ
あれこれ少しずつ片付け始め数時間経った
最近には珍しく復旧に時間がかかっている
それとも
当たり前だと思っていた世界は
ただの思い込みだと気付かせるために
焦らしているのだろうか
呼吸を整え眼を閉じる
そういえば最近
亡き母へ祝詞をあげていないことを思い出す
両親の古い結婚写真を開き
ご先祖さまに感謝する短い祝詞を読み上げる
すると
家中の家電が音を立てて始動し出した