朝明け方、一度 目を覚まして、二度寝したら 妙な夢を見た。


最終ホールが終わり、球を拾いあげて パターと一緒に 頭上に 高々とかざした。

やったー、終わったぞ!

すると グリーンの外で見守っていた大勢のギャラリーの人たちが、ボクのところに駆け寄ってきた。

おめでとう、

秀人!よくやった!


一番先に来たのは、ボクの父と母であった。

とおの昔に亡くなった父母が、ボクに抱きついてきたのである。

しばらくぶりに会えた嬉しさか、ボクも泣いて抱きついた。

後ろに 亡くなった姉たちも 義兄たちと共にいた。

グリーンを出ようとして、早い時期にこの世を去ったライオンズ仲間の 村井社長や高橋社長がいた。

よく頑張ったなあ。

少し遠くには お世話になった 亡き中嶋会長や池田会長がいた。

キミには いろいろやってもらったよ。

いいえ、おかげさまで ようやくここまできました、

ありがとうございます。


他にもボクの人生を彩った、その時代 時代の様々な人たちが、ボクを迎えに来てくれたのである。


そうか、この光景は、ボクが人生を終えて、これから 何処かへ旅立つ時に、あの世の縁のあった人たちが、迎えに来てくれたのか、と ようやく気づいた。


なんだか、TVでよく見る、プロゴルフツアー最終日最終組の 優勝決定の瞬間にそっくりじゃないか。

などと ちょっと嬉しくなったが、いやいや まだずっとさきの話だよ、と 思い返したところで目が覚めた。


変な夢である。

でも、現実にそうなったら少し嬉しいかもしれない。

死の瞬間が 楽しみでないでもない。

でも ずっと先のことでいい。


父ちゃん、母ちゃん、姉ちゃん、

もう少しこっちにいたいから、お迎えは、ずっと後でいいよ。


六月末近く、川湯へ戻ったときに、カミさんと知床へ行ってきた。

清里町の道の駅に寄ったあと、カミさんの推奨する 近道だと言う農道を 斜里岳を横目に見ながら、斜里町ウトロを目指した。


途中、「天に続く道」に寄った。

たくさんのライダーや観光客がいた。

ここは、30キロ近い直線道路の先の方が、あたかも 空の中に溶けているように見えることから、そう呼ばれるのである。


ただ そばには 多分 近くの農家の方が運営しているのか、食堂や売店があり、混んでいた。

天国の沙汰も金次第、という気分も無いでは無い。


もちろん 上がボク、

下がカミさん。