自分は東京下町育ちである。
昭和40~50年代の東京下町といえば、「ヤンキー(ツッパリ)」のメッカだった。
周りには、リーゼントやパンチパーマ、短ラン・ボンタンに身を包んだツッパリ君たちがたくさんいた。
当時はドラマや音楽もそんな時代を映していた。
「3年B組金八先生」や「ビー・バップ・ハイスクール」、そして「アナーキー」など、今思えば世相そのものだった気がする。
さて、あの頃のヤンキーたちは今どうしているのだろうか。
同世代の方なら、一度は気になったことがあるのでは?
もちろん統計を取ったわけではない、あくまでも自分の周囲を見ていての印象であるが。
どうやら彼らは大きく二つのタイプに分かれるようだ。
一つは、そのままの道を進んだ人たち。
このあたりは多くを語るまい。
若い頃の生き方をそのまま続けている方々である。
そして、もう一つのタイプ。
こちらが実に興味深い。
起業したり、家業を継いで経営者になったりしている人が意外と多いのである。
もちろん会社の規模も様々だし、すべてが順風満帆というわけではない。
しかし、経営者になっている人が少なくない。
そこで今回は、「ヤンキーと起業家の共通点」について少し考えてみたい。
特性その1 常識に縛られない
ヤンキーと聞くと、多くの人は反抗的なイメージを持つだろう。
学校のルールを守らない、先生の言うことを聞かない。
世間の常識に対しても「そんなの関係ねーよ」と抗う。
もちろん学生にとってそれが良いことだったとは言わない。
しかし見方を変えると「みんながそうだから」という理由だけでは動かない人たちとも言える。
起業家にも似たところがある。
世の中の多くの人が会社員になる中で「自分でやった方が面白い」と考える。
常識を疑い、自分なりの道を選ぶ。
これは起業家に必要な資質の一つだろう。
特性その2 仲間を大切にする
ヤンキーには独特の仲間意識がある。
一度「お前は仲間だ」と認めれば、とことん付き合う。
時には自分が損をしてでも仲間を守ろうとする。
経営も似ている。
会社は一人では続けられない。
社員や取引先、お客様との信頼関係がなければ成り立たない。
「この人のためなら頑張ろう」と思ってもらえるかどうか?
それが経営者にとっては重要になる。
そう考えると、仲間を大切にする気質は経営者向きとも言えるのである。
特性その3 自分の価値観を貫く
ヤンキーには妙なこだわりがある、いや「妙な」は余計かもしれない。
彼らなりの正義や哲学がある。
好き嫌いがはっきりしているし、納得できないことには従わない。
良くも悪くも、自分の価値観を持っている。
起業家も同じだ。
新しい事業を始めると、多くの人から反対される。
「そんなの無理だ」「やめた方がいい」「失敗するぞ」
そう言われても続けられる人だけが前に進める。
周囲の声に流されず、自分の信じる方向へ進む勇気。
これもまた共通点ではないだろうか。
そして、最後はやっぱり「根性」
何より大事なのが、簡単には諦めないことだ。
経営をしていると失敗は日常茶飯事である。
思ったように売れない。人が辞める。お金が足りない。予想外のことばかり起きる。
そんな時に「もうダメだ」で終わる人と、「次はどうする?」と考える人がいる。
ヤンキー文化には、昔から「根性」という言葉があった。
最近はあまり聞かなくなったが、起業家には今でも必要な能力かもしれない。
もちろん、ヤンキーが全て経営者になれるわけではない。
それは間違いない。
しかし振り返ってみると、社会を変えてきた人たちというのは、「普通」から少しはみ出した人たちだった気もする。
皆と同じことを考え、同じことをしていては新しいものは生まれない。
そう考えると、あの頃のツッパリたちが持っていた反骨精神や仲間意識、そして独特のこだわりは経営者としての資質につながっていたのかもしれない。
もし今、あの頃の同窓会をやったら「おまえ、社長になってたのか!」そんな発見が一つや二つあるかもしれない。