昨年末購入したアイコム IC-705のインターネットの遠隔運用を含めた変更申請も無事終わり新しい免許状が交付されてきた。

1.9MHz帯でSSB運用出来る日が来ると思わなかったが、免許状がアッサリの包括記号表記になってから寂しい、私は電波形式が正規表現でゴテゴテ列挙された時代のが好きなので。

 それにしても放熱性能は置いておいてもこのサイズによくぞ纏めた物だ。

我が家の現役HF帯無線機はケンウッドのTS-440S以来で30年ぶり!?

我が家にようやく<近代的>な無線機が来た!

 

最近の主にVHF,UHF帯のデジタル化した業務無線は、アマチュア無線機を利用した受信では聴ける物は無い、それでもIC-705にはスペクトラムスコープ機能があり電波好きな私としてはバンド内外のスペクトルがどんな感じで立っているのか見てみたいのだ。

 

パネル裏のPCB(メインユニット)の裏側にダイオードマトリックスが有る。

 

IC−705が販売開始した時期の前後から分解写真をアップされている方が居て本当に助かります、分解する際に予めヤバそうな所が判るので大変参考になった。有難い!

 

パネル裏のPCBの裏側に判りやすいダイオードマトリックスが有る。(ノーマル状態)

 

 受信改造ポイントの情報は海外からも取れるが、△Jマークの付いた奴と輸出用の製品のファームウェアとは別物なのでそのままマネしても上手く行かない。

無論日本国内仕様の△Jマークが付いている限りオフバンド送信は出来ない。

 

 当面必要な受信周波数の拡張はD922とD923の除去だけで済む、更に詳しく解析していないが設定変更でもっと面白い機能が有りそうだ。

 

D921はオートレピーターの設定で国内で使うなら取らない方がよさそう。

D928を取ってしまうと50MHzの下の40MHz帯が聞けなくなる、私はこれで6mのコンディション把握をしているので不都合である。

 マトリックスの下の列が周波数の範囲を決めているようであり、総当りは行っていないが解析途中に74MHzまでしか行けなかったりとか国内向けの△Jマーク品なのに何処の仕向地仕様なのか謎な設定が出現した。

 ダイオードマトリクスの設定を弄ったらオールリセットをお勧めする、しなくても起動時に設定を読み込んでいるようだが気持ちが悪いので行った方が良いと思う。

その前に設定情報やメモリーchのバックアップを忘れずに!

 

バックアップ用電池(中央の丸い部品)

 

 設定情報時計用(サービスマニュアルによる)のNi-MHバッテリー?ML414H(コイン形二酸化マンガンリチウム電池)測ったら2.8Vで有った、常時電圧が掛かっている部分が有るので外した基板の扱いには注意が必要である。

 電池は生ものなのでメーカー部品保有期間が切れた頃から交換の日が来るかも。

 以前HPのPDAiPaq hx4700のバックアップバッテリーを探すのに苦労した事を思い出した。

 外部・内部の電源を絶やすとこのバッテリーが過放電になりそうなので、毎日使っていた方が良さそうだ。

 

 私の住処は田舎過ぎて夜間はアマチュアバンドはおろか業務局も出ていないので強力なパイロット局になる波を捕まえてみた。

 

結果 30KHz-200MHz,400-470MHzがこの無線機で聴ける範囲である。

170MHzから200MHzは、スペクトルが薄くなっているので感度は期待できない。

聞こえるバンド全域測定していないが、おそらくID-51等のハンディー機並の耳だと思う。

 

 この受信周波数の拡張は、私の持っているIC-705の製造ロットによる場合なので、出荷時期の違う個体はマトリックスのポイントが変更になる場合もあるかと思われる。

扱う部品が少し小さいので、私は半田ごて2本を使って外したがチップ部品用の半田ごてがあ有れば尚良しである。

 受信改造(設定変更)に自信の無い方は止めるか出来る人に有料でやって貰いましょう、遙かに安心・安全です。

ダイオードSWを除去して受信範囲の拡張後の状態

 

 外したチップダイオードをクシャミをして飛ばしてしまい、手持ちの代替品で一番小型の物を付けたがそれでもオリジナルより巨大に感じる。

 

くれぐれもPCB上のパターンを壊さないように細いこて先で注意して作業しましょう。

この改造(設定変更)で壊れても私の責任では有りません、メーカーの製造ノウハウがいっぱい詰まって居る製品なので元の状態を維持するために、購入後に分解・組み立てを行う場合は最低限ネジ締めトルクなどキッチリ守る必要が有ります。

慣れていれば[手ルクドライバー]で行けますが。

くれぐれも自信のある方だけどうぞ!

 

2021年4月18日追記

ダイオードマトリックスに使われている、D921〜D944の型番はマニュアルによるとL1SS400と言うSOD-523タイプで、1.1mm×1.5mmリードは0.25mmという素手で扱うには少し小なサイズなので取り扱いに注意しましょう。

外すだけなら簡単ですが、復旧させる場合は全集中で行きましょう!

 

IC-705のVHF,UHF帯の受信範囲は、その辺のハンディー機と変わり無いので改造というか設定変更の価値はあまり感じませんが、ポータブル運用ででじっくり使うには良い「受信機」だと思います。

 

蛇足

謎なバンド200MHz帯をバンドスコープで見る場合は、コンバータを使って見ましょう、フィルターを入れないとイメージ受信だらけになりそうですが。

軽く100MHzス以上のスパンを見る場合には、お手軽スペアナMS2830Aを使う方が確実です。

 

ここまでお読み頂きありがとうございました。