すべての震災被害者、
もうこの世にいないすべての
震災被害者、
今もたたかっているすべての人に
ささぐ。
イメージキャスト(登場順)
(ザ・ブラック)岸洋佑
(ザ・ブルー)南圭介
(ザ・レッド)岐洲匠
ザ・ブラック
「消えた。すべてが。
アンタレスも南十字星もそして
仲間もすべて。」
ザ・ブルー
「信じられない気持ちで
いっぱいだった。
あの日から探してる、9年間。
ザ・レッド。
我々は新しいレッドを
探さなければならない」
パッと舞台に照明がつく。
(ザ・ブルー)
「で?なんで今時ゲーセンなんだ?」
ザ・ブラック、タバコを取り出そうとする。
ザ・ブルー、それを手刀で制す。
ザ・ブラック
「今時こんなとこにいるのは」
ザ・レッド
「いけ、いけ、いけ、やったー!」
ザ・ブラック
「よ!」
ザ・ブルー
「俺たちの仲間になるか」
ザ・レッド
「おじさん」
ザ・ブラック
「おじさんはないだろう、
おじさんは」
ザ・ブルー
「忘れたのか?
そう。我々は」
ザ・ブルーとザ・ブラック
「ザ・ヒーローズ!」
ザ・ブラック
「朝7時から放送」
ザ・レッド
「しねーよ!」
ザ・ブルー
「あれ?」
ザ・レッド
「もうそんな歳じゃない。
ってか、なんの用?」
ザ・ブラック
「ヒーローに。
なる気、ないか」
ザ・レッド
「兄さんやおじさんみたいな
動きはできないよ。
あの時の話を聞いている以上は」
ザ・ブルー
「あの日。
3月11日から9年。
今日は文化の日、11月3日。
だから」
ザ・ブラック
「波に消えた人がいる。
傷ついた人がいる。
結局のところ
みんなが、
いや。
。。。誰が傷ついたか、
傷ついていないか、
そんなのは関係ない。
大切なのは。
救えなかった、という事実。
人間の手は、この両手は、
手の届く範囲だけ
助けられ、いや、救えないんだよ」
ザ・ブルー
「人の力には限界があり
結局のところ
人間は神にはなれず
ヒーローにはなれない」
ザ・ブラック
「だから、物語を人は求める」
ザ・レッド
「それがグロテスクな神話でも?」
ザ・ブルー
「今から、作り出せばいい」
ザ・レッド
「。。。。。。」
ザ・ブラック
「それは自分で決めて、自分で
考える。
その先に」
ザ・レッド
「新しい未来があるとは限らないけど
それでも希望はある」
ザ・ブルー
「泥の中で蓮が花咲くように
絶望の中で咲く花もある」
ザ・ブラック
「だから」
ザ・レッド
「ひとりひとりがヒーロー。
誰もがヒーローになれる」
ザ・ブルー
「たとえなれなくても」
ザ・ブラック
「手を伸ばせばきっと」
ザ・ブルー
「光あると信じるしかない」
ザ・レッド
「そうかもな」