『生命とは何か WHAT IS LIFE ? 』ポール=ナース著(ダイアモンド社)
ノーベル生理学・医学賞受賞者、細胞生物学者のボール=ナースの生物学入門書。
高校くらいまでの生物の内容が平易な言葉で書かれ、なおかつ、最新の「生物」の定義が書かれています。
シュレディンガーの『生命とは何か』へのリスペクトで同じタイトルになってますが、シュレディンガーのそれよりずっと生物学的内容です。当たり前だけど。
実はこの本、Facebookで理科の教員向けにプレゼント企画があって、応募してみたら見事当選。
8月中に読もうと思っていたのに、最近、やっと読了。
では、この本の中から気になる文を幾つか。
現代化学の始祖の一人と言われるラヴォアジエがフランス革命中に政治的な吊し上げ裁判で断頭台に消えた事を引き合いに
「われわれ科学者は政治家によくよく気をつけねばならない!残念ながら政治家、特に大衆に迎合しがちな政治家は、裏付けに乏しい自分の見解に専門知識が真っ向から対立する場合、「専門家」をないがしろにする傾向がある。」
最近、日本のTVでもよく目にしますね。
「公共の利益に関する議論は知識と証拠と合理的な思考によって牽引されるべきであってイデオロギーや根拠のない信念や欲や過激な政治思想によってではない」
知識や証拠のよって反論すると、イデオロギー的に反対勢力だと勝手にラベリングするのは政治家だけではなく、フツウーの人もやりますよね、最近では。
では、最後にポール=ナースが「生命」の定義とした3条件。
ネタバレになりますかね。
・進化する
・境界を持つ
・化学的、物理的、情報的な機械である
興味を持った方は是非ご一読を。