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チモとの二人三脚 
 
その頃自分はプライベートな面でも何かと厄介な問題を
抱えて毎日を過ごしていた。

肉体的にも精神的にもかなり参っていて精神や肉体が音もなく壊れていってしまうようで少し自分でも恐ろしくなった事もあったような気がする。

まあ考えてみれば原因は全て自分にあると思えるように
なった今日この頃。

人間は兎角自分の不幸を他人のせいにする動物ではないかと思う。
 
それを面白がって空気を入れて何とかその人間を再起不能
にさせて喜んでいる奴も何度か見てきたがそういう奴らは
必ず後から自分に2倍にも3倍にもなって跳ね返ってくるのである。
 
オレが自ら手を下さなくてもそういう奴は必ずと言っていいほど不幸になってきたので自らを戒め,

人を憎めば憎む程後になって自分に何倍にもなって
返ってくるんだなあ」と。
 
まあそう言う奴らもオレのいない別の世界で幸せになって
もらいたいとやっと思う事が出来るようになってきた。

で、オレはというと先に話した離婚問題や仕事面でのゴタゴタでひどい時は入院をしなければ自分の体を維持出来ない程弱りきっていたが、
 
別居している上に仕事も少なくなってきてしまい
(自分の軽はずみな行動で噂をたてられて、信用を失ってしまった)
蓄えがある程真剣にお金を稼いでた訳でもないのでギリギリの生活だった。
 
日に日に弱ってくる自分の体をどうにか努力して立て直そうとしたが、
もがけばもがく程心と身体は落ち込んでいく一方だった。

でもそんな自分の傍にはいつもチモがいた、
 
そんな時はチモに一人言を言って己の気持ちと哀しさを
吐き出すように自らの惨めな境遇を聞いてもらったりしてた,(勿論奴は言葉などわかる訳はない、
でも奴はオレの表情と変化を直ぐに察知してくれ傍に寄ってくるのである)
 
しかし尋常でないオレの落ち込み方や生活の変化を奴も
奴なりに感じていた事は事実である。

塞ぎこんでいる俺の傍に来ては時々オヤジの顔をペロペロと舐めては尻尾をプルプル降って大丈夫かい?と覗き込むのである。
 
一度心の疲れがピークに達してしまった事があった。

 
でも隣にチモがフガフガいいながら尻尾を振ってグルグル
忙しなくオレの周りを周るのである。
 
奴の愛嬌タップリな不恰好な姿に思わず微笑んで我に返ったがその後チモはオレの膝に頭をグリグリ押し付けてべったりとくっ付いたまま離れようとしなかったのを覚えている。
 
そんな不器用だけれど愛嬌タップリのチモの姿に

何度救われて,
よ~しもう一度頑張ってみよう」と思った事か。
 
そして金の無くなってしまったオレ達はキャベツとチモの
ドライフードを混ぜたご飯を二人で分け合って食べた事もあった、

キッチリ半分づつである
奴は量には厳しいので
 
 
二人で食べているうち知らない間に涙がポロポロ止まらなくなった時もあったが、、、
 
それでも奴と一緒に分け合って食べる飯は楽しくもあった。
 
同じ物を共有しているという嬉しさや奴に対しての愛らしさで・・・
 
そんな時でも奴は常にオレのパートナーだった。
 
そんな生活が1年以上続いただろうか約6年間頑張ってきた日本の家庭犬訓練士生活にピリオドを打ち辞める事にした。

自分はつくづく自営には向いてない人間なのだと思い知らされた。
 
というより犬を訓練し、
報酬を貰うというプロ意識や意欲が自分には足りなかったような気がする。
 
プロとしてやっていく以上そこには必ず報酬というものが発生する、
 
しかし自分の場合は時には金など関係ない、
 
自分が納得して、
その犬を助けられればいいと行動してしまう事が多く
お金にならない事ばかりやっていたようだ。
 
当然報酬を得られなければ食っていく事も出来なくなって
くる事は当たり前の事なのだが、

その時はその子何とか
救ってやらなきゃと夢中だった。
 
まあこれではプロ失格である。
 
やっぱりオレは趣味で犬達と遊んでいるのが一番いいん
じゃないかとカミさんと話をする事が今でもある。
 
自分もまったくその通りだと思うし、実際家族や沢山の犬に囲まれて生活し、
一生を終わらせる事が出来たら他には何も要らないと。
 
早く3億円当たって夢が実現しないかと祈っているが
全然当選しないんだなあこれが・・・
 
まあ、そんな訳でってどんな訳だ?って感じだが少しだけ
ヤバかった生活から抜け出せて本当によかったと思ったのである。
 
あ~今考えるとよく生きてたなあ・・
 
犬と金無し男、無理心中!

なんて
新聞に出なくて良かった!(笑)

続く😆