1話:エッセイ再び | チモのいた季節

    1、チモとの出会い




    1995年2月関東地方はこの冬一番の寒さで山梨迄の道は雪また雪の中を早朝4WDのセダンで仔犬会える期待と嬉しさで疾走していく。


    どんな奴なんだろう?オスカメスか?

    まあロットワイラーには変わりないだろうなんて車を
    運転しながらボーっと考えていた。


    訓練所に到着して挨拶もそこそこに奴らのサークルに向かう中を覗くとオス1匹、メス1匹我々を見つけてコロコロした体を一生懸命サークルによじ登りメスが遊んで遊んでとせがむ。



    オスの方はどういう訳か背中を向けたまま首だけこっちを向いて、
    「ん?何?」なんて顔してる。


    振り向いた顔を見たその瞬間そのオスに自分の意識が
     釘付けになってしまった!

    なんてトボケた野郎なんだ!
     
    可愛くて可愛くてもう今すぐにでもコイツを持って帰りたいと俺の直感と心が叫んでいた。


    訓練所の人に
    この子連れて帰ってもいいですか?」と聞いたが
    「もうそのオスは貰い手決まってんだよねえ
    」と
    いう答えが返ってきたが、

    もうその後2,3時間位粘っただろうか、、
     
    どうしてもこの子じゃなければ絶対ダメなんです!

    ひたすら頭を下げ続け俺の気迫に押されて

    しょうがねえなあ、いいよ!

    なんて最後はこんな形で無理矢理貰ってきてしまった。

    今考えるとオレも随分強引だったなあと思う。

    でもあの時もしそんな感じで貰ってなければチモとの苦しくも
    楽しい生活はなかったろうと思うのでやっぱり良かったのだ。

    人生時には強引に!

    オレのモットー”である。

    それが欠点でこれから先も苦労していく事になるんだ
    がそれを直して生きていく程俺は器用な人間ではないのでいいのだ。

    そしてそれからの10年間がオレとチモとの絆が
    生涯を通してこんなにも深まっていくなんてその時は夢にも思わなかった。

    互いにひと時も離れられない存在になるなんて
    想像もしていなかった。

    晩年のチモを眺めながら言ったカミさんの一言が今でも思い出される、

    あなたとチモの間に割って入るなんて私には絶対無理ねえ
    なんて呆れていっていたのを。

    でもそのカミさんの言葉の中にはチモに対するカミさんの愛情とオレとチモとの関係に対する理解がいっぱい詰まっていた事を、

    そしてカミさんも奴を心から愛していた事をオレは知っている😊