大谷選手とイチロー選手 | きつねの部屋ブログ版

大谷選手とイチロー選手

  大谷選手が所属するドジャースとパドレスとの試合でドジャースだったか、パドレスだったか投手から自軍の選手がデッドボールを受けた。すると両軍のデッドボール合戦が始まり、互いのベンチが険悪なムードとなった。

 

 日本のプロ野球と違いメジャーリーグでは、暗黙のルールというものがあって自軍の選手が相手のピッチャーからデッドボールを受けた時には、お返しをしてもいい、ということになっている。

 

 この流れからみて当然乱闘になるが、それがアメリカという国では当たり前の行為などだという。ここで引いたらむしろ男の恥じだ、との考えがある。

 

 何故か、わたしが考えるにそれは開拓時代の名残であるのではないか。目には目を、歯には歯をと自衛の精神を持ち、東から西へとヨーロッパからの移住者たちは新世界であるアメリカの土地を開拓し、進んで行った。

 

 当然先々には狩猟、採取民でこの地で生活を営む先住民、インディアン(侮蔑語)が住んでいて、彼等の生活している土地を勝手に切り開き畑や町をつくっていく。当然トラブルが起こり移住者たちは銃や軍隊をもって彼等と対抗する。

 

 といったアメリカの歴史があって、男は闘う者だ、と、そうした開拓精神は今でもバットとボールでプレーするベースボールにも残っている、とわたしは考えている。それをしないと男じゃない、女々しい奴といわれる。ので、やってもやられても誤りはせず、やり返す。そんなデッドボール文化に大谷選手は巻き込まれた。

 

 大谷選手はボールを当てられたあと、累に進むが、チェンジで自軍のベンチに向かう際、相手チームパドレスのベンチ前を歩きながらで相手の選手たちに右手を挙げ、笑顔を見せて、「もうでデッドボール合戦はやめよう」といった、らしい。これでトラブルは収まり、中継していたアナウンサーや解説者達はうなった、という。

 

 メジャーリーグではいままで自分がデッドボールを受け、相手チームを笑顔で諫めるなんて選手はいなかった。これからこうしたメジャーリーグ特有の文化がかわっていくのではないか、中継していた野球解説者はおもったという。

 

 さて、イチロー選手の話し。これも昨日か一昨日、イチロー選手がメジャーリーグで殿堂入りを果たし、そのお礼のスピーチをした。日本でも既に野球殿堂入りしていて、両国で野球殿堂入りしたのは彼が初めてだ。

 

 それほどプレーも、人間的にも素晴らしい選手であったということが証明されたのだろう。ほんとうに相手のチームにとっては、敵である彼だが、しかしながらその野球への向き合い方は、とても真摯であり、人間的にも魅力がある選手と見られたからの受賞であろう。

 

 大谷選手のような明るく目立つプレーではなく、職人技を見せてくれた人。必ず彼がバッターボックスにたてばヒットは間違いなし、といわれるほどのチームの彼への信頼度は、絶大であった。

 

 なのに誇らず、えばらず、コツコツと、大記録を打ち立てる。まあ、喜怒哀楽が激しいアメリカ人には、彼のような自分を律しようとする人間はいないだろう。といって、他人への感謝は忘れない。ホント宮本武蔵のような自分に厳しい人であり、しかし他人には優しい人だ。日本人として誇りにおもう。

 

 二人とも記録と記憶の両方に残る偉人である。