跳ねっ返えり | きつねの部屋ブログ版

跳ねっ返えり

 今宮部みゆきの『三島屋変調百物語八之続よって件のごとしを読んでいる。三島屋変調百物語は江戸時代の話し。川崎宿の娘おちか。彼女は実家で婚約者を事件で失くし、それが自分の性だと思いつめ体調も心も壊す。

 

 そんな姪を預かるといってくれたのが神田三島町で人気の袋物屋を営む叔父の伊兵衛。女房のおたみ、女中のおしま、そして途中から奉公にあがる女中のおかつなどの支えられて、伊兵衛が碁相手と勝負する黒白の間を不思議な話しの舞台としておちかに仕切りをさせる。

 

 こうした面妖な話しを聴き、おちかは徐々に心を快復していく。

 

 というお話で、心が快復したおちかは近所の貸本屋のせがれと祝言をあげて、面妖な話しの受け手を伊兵衛の次男である富次郎へと引き継ぐ。

 

 現在の「よって件のごとし」の第一話は「賽子と虻」。その話の中にでてくる神社の娘で性格がはねっかえりだという。

 

 この跳ねっ返りとは、上品に育った娘がそこはベースに残しつつも積極的になんでも知りたがるという性格をいう。当時のいいとこの娘はあまり主体性を発揮せず、年上のものに従順で型にはめられるほど嫁の貰い手がいる、といったことがあった。

 

 いわゆるお侠(おきゃん)に近いが町娘とは違い、格式ある社で育った娘であるからいわゆる世間知らず、なのだが何にでも興味をもちそんな彼女にあう羽目になるのが、まだ14歳。

 

 といってもそのころの14歳は年ごろで嫁に行くには充分な年齢である。そんな彼女が母親に連れられた村で追いはぎにあい、頭を殴られてしまい現在瀕死の重傷を負っている身。

 

 この話の世界は実はあの世とこの世との中間にあって、この話の主人公餅太郎はまだ11歳。貧しい村の育ちで自慢の姉が本村の村長の息子に見初められたのはいいが、誰かに呪詛され、それを助けた餅太郎はこの世ではない世界に連れていかれ、そこでこの娘弥生とであう。

 

 はい、この先はまだ読んでおりませんからこの二人がどうなるかはわかりません。跳ね返りといった懐かしい言葉がでてきたので、こんな記事をかいてみました。

 

 なお、この『三島屋変調百物語・おそろし』はNHKで2014年8月に全5話がドラマ製作されており、主演のおちかは波留が演じておりました。