エンジェルフライト | きつねの部屋ブログ版

エンジェルフライト

 『エンジェルフライト』は、先週始まった米倉涼子主演のNHKドラマである。米倉涼子といえばあの「わたし、失敗しないので」のセリフで一世を風靡した医療ドラマ『ドクターX・外科医大門道子』役でおなじみである。

 

 この度の役はXと同じような一見威勢のいい役。ヤクザの親分の妻のアネゴさんと呼ばれるようなドスの効いた役柄で、実は弱っちくておっちょこちょいで、しかしながら仕事には真剣に取り組むといった硬軟両様をもつ、人物役。

 

 このドラマの副タイトルが『国際霊柩送還士』とあまり聞き馴染みのない職業。ドラマの中では共演する松本穂香が新入社員として「エンジェルハース」というこの会社に入り、彼女の見た目で同社の内容を語る手法をとる。

 

 『国際霊柩送還士』とはいかなる職業の会社かというと、外国で亡くなった方たちを日本に運び、葬儀を行うといった、いわば送り人(納棺師)といっていい。

 

 さまざまな事情がある人の遺体を外国から運び、エンバーミングを施し喪主に引き渡す仕事。そんな会社とは知らずにはいった松本が会社の面々を見て、ヤクザではないかと思うのも無理なく、社内は常に怒号が飛び交い、米倉も、社長の遠藤憲一も、その他社員面々もどこかうさん臭く、ついていけないとおもっていた。

 

 が、そこにフィリピンで死亡した青年の報が入り、遺体を引き取る仕事となるが、勝手に家をでていった息子なのだからと、父親が遺体を引き取らないとして、もめる。

 

 といった話がラストには落ち着くのだが、米倉の演技が中途半端に見えて、どうもまだドクターXを引きづっているようなキャラクターに見えてしまうのが難。

 

 手術の時の腕前と自信満々の態度。しかし普通の生活では毎度麻雀に負け続づけ、おっちょこちょいのモノ知らずのドクターX。そのキャラがそのままこのNHKドラマの米倉のキャラになっていて、Xの時のように仕事となると真剣となり本気を出す。ので、新鮮味はない。

 

 遺体となった人達にも人生があった、と当たり前の話しなのだが素直に親なりが引き取るかはその亡くなった人がどういう人生を歩んだかによる。またそのことがこのドラマの表現したいことなのだろう。当然のことながら死亡にはそれなりの理由がある。病気なのか、それとも殺されたのか、あるいは自殺か。

 

 遺体の引き取り手も同様の様々な事情があり、その間にあるのがこの仕事だ。

 

 エンバーミングの手法も見所。損壊した遺体に手を入れ奇麗にして喪主に渡す。

 

 変人ばかりのこの会社、松本がこれからどのように仕事に慣れ、スタッフたちの行動を納得するか、まで話は続くのであろう。

 

 ついでにいうと、松本穂香もNHK夜ドラ『家政婦のミタさん』の演技を引きづっている。

 

 

 余談。本日のあさイチに米倉涼子が生出演した。シカゴでの公演直前に病にかかり、歩くこともままならず、という話しをしていた。演じていない米倉はXとは異なるのはもちろんだが、素顔はなかなか素敵である。