女性ファン垂涎朝ドラと大河
『虎に翼』、直言とはるは東京登戸に残り寅子、花江、と子供たちは福島県会津に疎開していた。既に東京にも大規模な空襲がなされ、街は壊滅状態。
そこへ父の直言が訪ねて来た。長男で花江の夫直道の戦死広報を知らせにやって来たのだ。妻の花江は泣き崩れる。
そしてそれからひと月で終戦。
再び家族全員が登戸に集合、幸いにも工場の建物はそのまま、しかし当然のことながら注文はなく、これからの戦後生活をしてゆかねばならなかった。
そんな時、岡山の高等学校へ行っていた次男直明が無事に家に戻る。繰り上げ卒業ということになったという。寅子は帝大の願書提出を直明に進めるが、直明は断り、父と一緒に働くという。
寅子はそれはそれで納得はしたものの、不満も感じた。
では、寅子の夫である雄三はどうしたのだろう。ここまできて戦死の知らせがないことはもしかしたら生きて帰るかもしれないし、東京空襲で行方不明となっている「親友」ヨネも消息はわかっていない。
この二人、もしかしたら再登場するのではないか、と期待する。
余談だが、空襲に襲われた東京の描写は前作『ブギウギ』と比べるとリアルであった。いかにも空襲の跡がそれらしく作られ、スタジオ美術人たちの熟練度はさすが東京NHKである。
話しは変わる。友人と金、土曜日何年かぶりに山登りにいった。この話は昨日書いたが、彼の妻はいままでそれほど興味を示さなかった今年の大河ドラマに興味をもっている、と話してくれた。
確かに大河は中世の戦争を描くものが大半で、もしくは幕末の戊辰戦争、西南戦争など戦いをメインにし、男性視聴者が観るものとされていた。
しかし、今回はあの紫式部と藤原道長とのロマンスや、摂関期の宮廷での高級貴族たちの出世争いを描いたものではある。これを現代劇に直してもいいか、と思える内容となっている。
今までにでてきた平安時代は院政期の宮廷での政治や出世が舞台になったのは『平清盛』(院政時代)で、後は源平合戦の時代を背景にしたものが多かった。
例外は2作『平将門』と『炎たつ』(ほむらたつ)の2作。『平将門』は平安900年代で地方での反乱。『炎たつ』は平安1190年代である。この戦いも長引かずで平定されるがこの後、次第に軍事貴族(源氏、平氏)が台頭し、古代から中世へと向かうきっかけになっていく。
しかし、現作ではまだそのような大規模な戦乱が起こる前の1000年代で、京(みやこ)がもっとも平和な時代であって、宮廷では歌など文芸が盛んな時期になっている。
わたしらが京都といえば平安時代を想起し、そのイメージをベースに身分違いの男女のロマンス。これは女性ファンが増えるのもうなづける。
かなわない恋こそじれったく、でもどうにもならずそこに紫式部、清少納言などの有名人である主人公たちが登場。女性ウケするのも分かる気がします。
先週はまことこと紫式部が父の赴任地である越前に向かう前に、再び道長と逢い、情事となっておそらく女性ファンはやれやれと思う反面、でもこれで二人はお別れ?、と思った事であろう。
歴史的にいえば紫式部は結婚する、しかし当然道長ではない。その人物はこのドラマに以前から登場しているアノ人であるが、それが女性ファンの気持ちに叶うかどうか、な。
訂正:前日の『富士山を観ながらの登山』文中に「河口湖駅」を外国観光客のためにつくったと書きましたが、わたしの思い違いでした。事実は富士急行が開業された際の1950年に同時に開設され、富士急行の本社も当駅にあります。よって当該記事を削除しました。
しかし、2010年の昇降客数は1580人余り。昨年2023年には4170人余りとなっており、よって外国人観光客が増えたことが理由であることは間違いありません。