つばさの党「事件」 | きつねの部屋ブログ版

つばさの党「事件」

 先日行われた東京都江東区を選挙区とした衆議院議員補欠選挙において、他の候補者の選挙を妨害したとしてつばさの党の代表黒川敦彦容疑者と同選挙に立候補した根本良輔容疑者を警視庁が公選挙法違反の容疑で逮捕した。

 

 つばさの党の両名は容疑を否認、民主主義の発言の自由を掲げて反論していて、罪は認めていない。

 

 が一般的に視ても他の候補者の選挙演説会場にいく選挙カーを追跡し、他の候補者が選挙演説をしている最中に、つばさの党の候補者が近くの公衆電話の屋根に登りハンドスピーカーで相手候補への誹謗中傷をまき散らし、相手候補が次の場所へ移動するのを追いかけ、また同じような行為をした。

 

 また追跡する際も自らの車内をスマホで動画撮影し、以上あげた妨害演説の第三者たちが撮ったSNS画像とともに拡散させ、自らのSNSを観るよう行った。

 

 ということで、わたしは最初から選挙に当選する気はなく、結局SNSでお金を稼ごうとしただけと見る。とはいえ一部の現在の選挙制度や国会を始めとする地方議会にあきあきしている有権者たちに彼らの行動がアピールしたこともあるだろうが。

 

 要は自分達の主張を聴いてもらうだけの演説ではなく、相手の主張を遮りそのパフォーマンスを観てもらいたいだけのように思えた。これが本気でそのように考え、行動していたとすれば考え違いも甚だしい。

 

 街頭演説ではなく、立候補者たちが一堂に会し、互いに主張を言い合い、自分の言葉の正当性を争うような場所で行うならまだしも、現在の選挙法にそれはない。

 

 このニュース映像を観てわたしは、つばさの党の発言は言葉の応酬というより喧嘩を吹っかけているようにしか見えなかった。いや目立つことに意義がある、そんな風に思えた。

 またこのつばさの党は相手候補の選挙演説予定地をSNSで知らせてほしいと自らのSNSで流したり、相手候補者の住んでいる所を探してくれと依頼したという。

 

 その情報を受け、他の候補者の自宅前で演説を行い、また警察の家宅捜査を受けた後ファーストの会のトップである東京都知事宅にもつばさの党が押しかけ同様なことを行った。

 

 こうして「事件」をおこせば自分たちの行為が世間に拡散され、大勢の人がSNSを観てくれ、話題になればなるほど視聴する人が増える。とすれば金儲けができる、そう考えたのか。

 

 もしそうなら、こうした歪んだ金儲けの手段を、民主主義の根幹である一般市民が立候補できる選挙に利用したということは、許されるべきではない。

 

 また事件であろうが、事故であろうが直ぐにSNSに載る時代をしてこうした「犯罪」を「発明する」、そんな世の中になったことも嘆かわしいと思う。

 

 有名人を誹謗中傷するのには怒りもあるだろうが、そうして自分が創った動画が拡散してくれることを喜びと感じる人もいて、ついには公正を旨とする選挙活動で、このようなことまでする輩(やから)がでてしまった。

 

 どうやらつばさの党の幹部たちは自分達は正当な行為を行ったと容疑を否認しているようで、いまのところ反省はしていない。

 

 これからの選挙、同じような手を使う立候補者も出てくる可能性はない、とはいえない。警察もキチット捜査し、罪ありとして送検してほしい。