清原伽耶嬢 | きつねの部屋ブログ版

清原伽耶嬢

  昨年までの4年間、女優(最近はジェンダー平等で俳優とかかねばいけない風潮があるが、あえて)として京王電鉄のポスターヒロインとして駅のホームや階段の登り口の壁に彼女の大きな姿がかかげてあったのそうだが、今年度は契約がきれたようで、別の人物にかわっていた。

 

 だいたいは高尾山登山を進めるという内容で、といってもポスターで彼女の姿が写っているだけであとはコピーのみ。

 

 いつもながら笑顔はそれほど見せずで、ストイックなお顔ながら聡明な顔立ちがわざとの笑顔よりも芯が強くてキリットした彼女に良く似合っていた。

 

 よく清原伽耶嬢を「透明感がある」と評される。これが当初わたしはよくわからなかった。たしかに彼女は媚びるような笑顔を見せることはなく、それは見せても演技であって実際にもテレビドラマで観るような笑顔を封じた人なのかと思える。

 

 といって笑った時の演技はそれはそれは観ているこちらがホットできるほど「ああこの女優さんも一人の若い女の子」と安心する。

 

 その「透明感」だが、わたしが彼女を始めて知ったのはNHKで放送された『透明なゆりかご』という医療もの。といっても内科やましてやメスを鮮やかに操り、「わたし失敗しないので」といったような医療ものではない。

 

 ある町の夜間高校に通う生徒で、准看護師の資格を得るために産婦人科でアルバイトをしている。彼女の仕事は看護師のヘルプ。そしてこれが主な仕事なのだが中絶した胎児たちを瓶に詰めたものを処理する業者に渡す役。

 

 『透明なゆりかご』とはその瓶のことだ。

 

 まだ女性として一人前になったわけでもない彼女が、女性だけができる出産に立ち会い、そして無事に赤ちゃんが生まれる瞬間の喜びと、残念ながらそこまでたどり着けなかった妊婦たちを見ることになる。

 

 そんな自立しかけの少女役のだった。

 

 人の命の尊厳を目の当たりにし、自分自身が女性であることを自覚させられ大人になっていく、そんな瞬間を切り取ったドラマだった。

 

 これ以降彼女へのオファーが増えて、朝ドラ『おかえりモネ』などに繋がり、映画出演も多数に上った。プロデューサー、監督、主演俳優たちに彼女の持つ「透明感」が評価されてオファーが絶えないという。

 

 さて、わたしにはよくわからなかった清原伽耶嬢の「透明感」。そうかわたしが若いころよく言われていた「清純派」という女優さんたちがいて、まだ若く健康そうで男の匂いがしない、そんな人達をそういった。伽耶嬢もそれに近く濁りの無い人格、そういうことなのだろう。

 

 アッチ、コッチから引き合いがきて先日も賞をとったとか。最近はあまりテレビドラマでは見かけないが今の彼女はテレビドラマの向こうへいってしまい、もうもどってこないかもしれないと感じるようにわたしはなった。

 

 清原伽耶、本当の意味の女優さんであるのだろう。