漫画家イエナガの複雑社会超定義 | きつねの部屋ブログ版

漫画家イエナガの複雑社会超定義

 今を時めく町田啓太。彼をわたしがテレビで認識したのはNHKでのドラマでであった。題名は2015年に制作されたドラマ『美女と男子』。

 

 まるでおとぎ話のような題名だが、中身は少し複雑。共演したのは『トリック』でその名を世に知らしめた仲間由紀恵である。

 

 キャリアウーマンであった仲間が退職させられ、ひょんなことから芸能事務所に勤めることになり、その際にであった素人青年をスカウトし、「レッドカーペットを歩いてみない」というセリフで勧誘し、湯余曲折あって成功するといった話だった。

 

 その時の青年役が町田啓太。わたしには初見参であったが2014年の朝ドラ『花子とアン』で共演をしていた。ついでにこのドラマの主演は吉高由里子で現在の大河ドラマ『光る君へ』で町田と再共演している。

 

 その町田、最近話題になっている情報テレビ番組『漫画家イエナガの複雑社会超定義』。

 

 始めの頃から観ていたが、10分の間に町田が喋り捲る。最初なにがどうなっているのかが良く分からず、ただ町田の早口に応じて画面に本人とアニメやコンピューターグラフックス(CG)が次々と現れては消え、時に解説者も現れ、最後にその物事の相関図がでて終わる、といった親切なのか、不親切なのかよくわからないが、今起きている世の中の現象を解説してくれている。

 

 このスピード感が受けているようで放送3年目を迎えた。

 

 パターンはこうだ。売れない漫画家であるイエナガが漫画出版社に漫画を連載してもらおうと出版社に来て担当編集者の山根未来(橋本マナミ)に作品の説明をする。ところがイエナガのいう新しいキーワードが山根にはわからず、イエナガが「一分ください」といって以上にあげた超スピード解説を始める。

 

 番組の本題はあくまでもこの解説にあって、聞き役は山根の他イエナガが通う喫茶店の店員松木くらら(紺野綾香)、家永が下宿しているアパートの住人で同じ漫画家でホラーを描く大島永遠子(ふせえり)などにもトレンドの解説をする。

 

 他のイエナガの弟や年の離れた妹も聞き役で出演するが、レギュラーは以上の人物たち。

 

 オチはかならずあって、誰も本気で聴いてくれていない、である。

 

 イエナガ、ボロアパートの一室に住んでいる割にはいいとこのお坊ちゃんのようで靴や衣類など多々あり、食べるものにもまったく不自由していない。コンピューターディスプレイも大型。毎回登場する衣装も同じものはない、のに売れない漫画家という設定。よほど実家にお金があるのだろう。

 

 とにかく彼が解説するスピードが確かに超がつくほど速く、理解するには頭が若くなければついていけない。ベースには電脳社会化しつつあるが、今までの歴史や文化、科学が新しいムーブメントとどう付き合っていくか、どう変わっていくか、という話しだ。

 

 つまりはそれが文明にまでなっていくのかどうか、であってイエナガはとにかくイマ、を語る。こうした激変を起こしたのは電脳社会で、この先のことを創造していくのはわたしたち、ということをいいたいのではないか。

 

 たしかに電脳社会になってからムーブメントの種類はいくつも出ては消える。しかし今アルということは確かで、彼はそれを述べている。未来の話しでもあるが、歴史の勉強にもなる番組だ。ただし彼の早口についていけるかだが。