静岡県知事辞任発表 | きつねの部屋ブログ版

静岡県知事辞任発表

 この人随分と有名人になったものだ。現静岡県知事の川勝平太氏である。リニア新幹線の走行予定地の中の都県で一人反対をしていた人物である。

 

 彼のいうところは南アルプスをトンネルで抜く計画であるリニア新幹線計画。標高の低い山梨側から標高の高い静岡側にトンネルを作れば自然に静岡側の水は山梨側へ流れ行き、すると静岡側で使える用水、飲水、その他工業用の水、そして水不測に寄る環境の影響が大きくなるから、という理由を持論として述べていた。

 

 確かに普通交通路に使うトンネルはほぼ真ん中を高くしてトンネルの両側へと水が流れるように掘るものだ。

 

 しかし数十キロにわたるトンネルの水をしかも山からの膨大な湧水をうまく公平に両県に分けることは難しい。リニア側は湧水は全て機械設備により静岡側に送るという提案をしたが川勝知事は受け付けなかった。

 

 そんな論争が続きとうとう先日リニア側は今すぐ南アルプスの下を掘るトンネルを着工しても10年はかかる、ということでトンネル着工を断念したばかりだ。

 

 そのタイミングでの今回の川勝知事の不適切発言があって、なんというタイミングだ、とおもったのはわたしばかりではあるまい。

 

 この発言は今春から静岡県庁に勤め始める新入職員に対しての訓示の中での一言。「~県庁はシンクタンクだ。野菜を売ったり、牛の世話をしたりとかと違い、皆様方は頭脳、知性がたかいかたち」と新入職員を励ましたつもりだったのだろうが、これが県民の怒りを買った。(読売新聞4月3日朝刊、以下同様)

 

 「皆さんたちの若い力、頭脳を県民のために使って懸命に働いて欲しい」ぐらいなことでよかったのでないか。シンクタンク(研究機関)は県庁という地方行政施設機関としての県庁としては、アイディアは必要なのだろうがズレている発言だ。

 

 それまでも崔議員選挙の補欠選挙での応援演説で相手候補を「(御殿場市)はコシヒカリしかない」などといい、この時に県議会で叱責され、次に同じような失言があったら辞任すると県議会へ約束した。

 

 結果が今回の辞任発言になる。

 

 一言も二言も多いこの人、おそらく自分はものすごく高みにいるエリートとおもっているのだろう。人を見下すことで自らを上げる、そういうタイプの人といっていい。

 

 自らは静岡県を代表し、県民を守る力を持つ、そんな自負心と自尊心がなければこんな発言はしない。菅前総理にも日本学術会議の学術員選任拒否に関し、教養が無い人だ、ともいっていた人だ。ご自身は確かに学術肌の人、だからこそ世間ずれしていなく、しがらみもなく政策をやり通す力があるからか。

 

 オレが一番がどうしても口に出てしまう人。本人が自覚していないのがどうにも鼻につく。しかしこれくらい強気の姿勢をもつから三選できたのだろう。すべて推薦団体は反自民である。

 

 気骨があるといえばいえるが、どうにも自分の教養の高さから見ると皆バカに見えてしまう点が彼の弱いところ。

 

 しかし公約どおり二度目の失言で辞めることを決意したのはいさぎいい。「あれは(マスコミに)切り取られた発言だ」と抗弁したらしいが、ま、そこは本意でなかったととっておこう。しかし、頭の中には自分はエリートと思っているからの発言であることはまちがいはない。

 

 さて、次の静岡知事選に親自民か、反自民かでリニア新幹線が開通に至るかが決まる。ここで中断はすまいが、山梨まで工事が進んでいるのにこのままでは税金も無駄遣いになるし、でも個人的には10年後に完成したところで乗れないし、乗る気もないし、どっちでもいいはなしではあるが。