えりぃ5度(たび) | きつねの部屋ブログ版

えりぃ5度(たび)

 さてなんと23年ぶりに朝ドラ『ちゅらさん』が帰ってくる。正確にいえば続編が3本あるので17年ぶりとなる。

 

 これほど長く放送された朝ドラは以前にも以後にもない。沖縄の小浜島に住む古波蔵恵里(えりぃ)。父親が民宿を営みその初めての客が東京から来た母と息子兄弟。

 

 中学生にあたる兄和也は不治の病でどうしても沖縄に来たかったといって短期移住にきたのだった。弟文也は小学生で民宿の娘恵理とは同学年。共に島の小学校にかよう。

 

 そのうち恵理と文也は互いに互いをおもう恋心が芽生え、兄和也は二人は将来結婚しろよ言い残し、島で他界してしまう。母と文也は迎えに来た父と共に東京へ去っていった。

 

 湊の突堤を走る恵理。「文也く~ん、大人になったら結婚しようね~」と船に向かって叫ぶ。わたしはここで泣かされました。絶対二人の行く末を観たいとおもいましたよ。

 

 そして時はたち恵理は高校三年生。進路を決めかねていたが、あるきっかけで東京からきたツアー会社の女性コンダクター容子(余貴美子)とであう。で、東京行を決意、友人と共に東京の大学を受験するも受からず。

 

 一旦島に戻るもどうしても東京で暮らしたいと親に懇願し、アルバイトを始め資金を貯める。父親は反対するも恵理は東京へと旅立ち沖縄で知り合ったツアー会社の女性社員が下宿する一風館に入居、これから彼女の東京生活が始まる。

 

 このドラマ実に好評で先にも書いたが都合3度続編が作られた。その魅力は沖縄という島の文化が本土に住む者に刺激を与えたということもあり、基地の島というマイナスなイメージを払しょく、明るい人々、家族主義、そしてヌチ(命)ドタカラといった沖縄が大切にしていたものなどをテーマとしていた。

 

 そしてニライカナイというはるか海の向こうに神がいる世界を信じ、本土ではとっくになくなった家族主義をつらぬいた戦前の日本が、まだそこにあることが新鮮に思えたからヒットしたのだろう。

 

 主演の国仲涼子はまさに適役。実際に沖縄出身でこの放送によって全国に名を知られるようになる。

 

 また弟役が山田孝之。まだあどけない中学生役で今の彼のイメージとは大違いの姉にかなわない素直な弟役でかわいかった。

 

 そして恵理の兄である放蕩息子ゴリ。といってけして悪気はなく常に夢をみている家族思いの人物。ただやることなすこと失敗ばかり。

 

 母親役は元キャンディーズのスーちゃんこと田中好子。ゴリは長男だが父親は恵理の父ではない。

 

 ノーテンキで沖縄らしい働かない父親が堺正章。民宿の経営を思いつき結局文也一家を泊めただけで廃業してしまい、沖縄本島へと移り、タクシーの運転手となる。

 

 そしてかかせないキャストがオバア。地元沖縄の女優平ふみが演じていて、彼女がいるからこそのこのドラマであった。不思議な力をもち、沖縄人がもつ命の大切さを体現する役。

 

 とうことで東京編に移るわけだが、恵理の下宿先は容子の住んでいる一風館という今では珍しい合宿所のようなところ。元はお屋敷だったが夫がなくなってからその夫人(丹阿弥八津子)が経営をしている。

 

 そこに住む住民がみなクセ強。女流作家(菅野美穂)、時々独り芝居を始めるサラリーマン(村田雄浩)、元はお金持ち風の老人(北村和夫)など。恵理は彼らとの交流で成長していく。

 

 で広い東京で文也君と再会できるのか。そのカギは彼に貰ったスーパーボールのみ。

 

 追悼 母親役の田中好子さんはガンで。そしてオバア役の平ふみさん、北村和夫さん、丹阿弥八津子さんは天寿をまっとうされました。

 

 沖縄を舞台にした2度目の朝ドラ『ちむどんどん』は、正直『ちゅらさん』の焼き直しのような作品でしたが、『ちゅらさん』jほどの感動はなかった。やはり二番煎じは味が落ちる。