バロメーター | きつねの部屋ブログ版

バロメーター

 わが家には直径は15センチほどのバロメーターがある。今の住宅に越してきた時に据えたものだ。

 

 最近はこの「バロメーター」という言葉を言うことも聞くこともないと思う。バロメーターとは気象予報につかわれる器具の一つで気圧を計る機械。わたしたちの世代ではよく使われていた言葉でもあるのだが、今でも使われているのかな。

 

 一般の人にはこの言葉を云われても、それ何!、ってことになるのでしょう。

 

 わたしの小学校時代には校庭に百葉箱があり、部活に気象観察班がいて毎日定時に箱の内、外にある温度計、気圧計、風速計、風向計を計測、記録していたものだった。この百葉箱の中にはいっている気圧計をバロメーターという。

 

 ご存じのように天気は高気圧と低気圧と呼ばれる空気の重さや、流れの方向、遅速によって晴れたり、曇ったり、大風になったり雨になったりします。

 

 この「空気の重さ」を視認できる器具がバロメーターで、棒状のものはガラス管に入った液体が上がったり、下がったり。円形のものだと時計のように針が回ります。といって全周はしませんが、あくまでも目盛りのある円弧の範囲で。

 

 この前日まで、もしくはその日の朝や夕方にバロメーターの動きを観測すれば、天候の予測が絶対ではありませんが、可能となります。

 

 が現在バロメーターを家庭に置いておく家はごく少数、かもしれません。実際に天気観測に使うというより趣味か、室内のアクセサリーとして設置するかでしょう。

 

 わが家のバロメーターも、趣味としての天気の変化に関心があって実用に使っていましたが、最近はその要も無くなり計測もしておりません。その当時は天気図をラジオで午前と、午後一回づつ定時に流していた気象データーを聴いて、天気図を作成しておりました。

 

 気象的な話しでは現在のように機器が全てデジタル化し、人工衛星で精密な写真がリアルタイムで手に入り総合的に解析できることで、バロメーターという言葉も聞くことはありません。

 

 ですが、先ほど書いた比喩としては今でも生きているようです。若い人はあまり使いません。それはそうでしょう、まずモノを見たことがないかと思われるからです。

 

 「バロメーター」は、この先どちらの方向へ物事が、あるいは政治が、経済が、ファッション、トレンドが進むのかの指針を示す「時流予測機械」としての意味に使われます。 

 

 これだけ前日よりも気圧が下がったから明日は雨か、といった気象上の意味から転じた使い方ですね。予測を予想に置き換えた、そのようなことでしょう。

 

 ですが、人の予想、予測は当たる時もあれば、当たらない時もある。実物のバロメーターも同じ。気圧が下がり気味といても雨にもならず、上がったから晴れて温暖な気象になるとは限らない、あくまでも目安のひとつ。

 

 先ほど書いたようにバロメーターの針の動く範囲は定まっています。最近は今までと異なってより低気圧の数値が下がり気味。そうです大型台風の来襲が頻繁ですから。

 

 が反対に気圧が上がりっぱなしで気温が下がらず、熱波で雨も降らず。海水面の上昇にも気圧が関係している。

 

 今までの範囲を超える中心低気圧をもった猛烈な台風。そしていつまでも列島、いや、地球を覆う高気圧状態。こうした地球温暖化は顕著にバロメーターにも表れています。

 

 バロメーターの針が降り切れる日がくるのか、いやその前にわたしたちが参ってしまうかも。そんな未来を予想してしまいます。

 

 バロメーター同様こうした気象傾向も、比喩のように予想の範囲にとどめて欲しい。

 

 ※昨日深夜に「このスリーショットは二度とない」を投稿しております。