光る君へ・漢字と仮名 | きつねの部屋ブログ版

光る君へ・漢字と仮名

 さて、「光る君へ」の第3回、ここにきて初回の心配は杞憂であったことを恥じる。初回は紫式部の少女時代であったが、二回目以降、本役である吉高由里子が登場すると俄然おもしろくなった。

 

 彼女のふぁんとする雰囲気がどうにも可愛らしい。才はあるがそれを発揮できないもどかしさを表現していて、とてもイイ。失礼ながらそれなりのお年をめしているのにキュートで、こんな娘をもちたいとおもう父親もいるのではないか。

 

 本筋では父親役の岸谷五朗にもてあまされているが、もったいない(#^^#)あんなにカワイイ娘をもったら嫁にいかせたくなるだろうに。ま、時代が時代であるので娘は父親の出世の道具であり、あまり才があっても困る、ということなのであろうが。

 

 しかしながらその才があることによって宮廷に召され后の女房となって後世に名を残すわけだから女人が学問を、といってた父親は結局助けられたということになる。

 

 今回一番おもしろいシーンは、まひろが初め上級貴族の姫たちの前に現れ漢字カルタのようなゲームに参加したところ。子供のように札を全部とってしまうところがこれまたカワイイ。漢字大好きで夢中になって周りに忖度なし。

 

 でも全て札をとり、むしろそのあと気まずい思いをしている様子も良い。これがイヤミにとらえられないところが吉高百合子の演じるまひろだ、と作者である大石静は考えたのだろう。

 

 確かに当時の貴族の女性であってもカナは書くが漢字は読めず、書けずが普通である。ちなみにその時代、漢字は真名、カナは漢字を崩した仮名といって、あくまでも漢字が本筋。

 

 大阪発の朝ドラで有名になった双子姉妹「マナ、カナ」の名は上に描いた真名と仮名からきているのではとわたしは考えている。

 

 当時漢字は歌や私文書は別にして、僧侶と貴族男子が公文書で使うもので女性がそれを習得しなければ、ということはなかった。それは即ち政治は男のものであって、漢籍などの教養は必要とされていなかった。漢字を崩した仮名は主に女性が読み書きし、やりとりするもので、それを使い文学にまでしたのがこの時代。

 

 「光る君へ」。テレビ視聴率はそこそこらしいが、ネットでは随分と観られているようで、どうやら心配は無用のようだ。