今更乍ら「翔んで埼玉2」について

　関東だけでなく日本中に知名度を上げた埼玉。そのきっかけになったのが漫画発で映画になった「翔んで埼玉」だ。自虐的な内容ながら埼玉に住んでいる人達もおそらくうなづきながら、大笑いで受け入れてくれたと私は思っている。

　で2作目だが、これが駄作、といっていい内容。今回の舞台はサイタマではなく関西で、敵は東京都でも千葉県でもない。

　埼玉にあたるのは滋賀県だ。そして関西のドンとして君臨するのが大坂。それに追従する京都、と神戸。つまり知名度があるこの府と市が滋賀県という「琵琶湖」しかない県をイジメの標的にしてきた、とういう「歴史」があるのが今回のコンセプト。

　それを救うのが埼玉県。といっても主演はGaｃｋｔのみで、パートナーであった二階堂ふみは滋賀県にはいかず埼玉に残りGaｃｋｔのサポートをするのみ。おそらくスケジュールの都合であろう。

　感想をいえば1作目の2番煎じであり、大騒ぎをする割りには面白くなかった。愛之助とその妻である藤原紀香などご当地出身の俳優を起用しているが、だからといって彼らの出身地というころで選ばれただけではないか。特にこの映画では演技は云々はなく、むしろ前作のような埼玉生まれでの悲哀や東京への憧れというものは感じない。

　今回のGaｃｋｔパートナーは杏であった。一作目ではGaｃｋｔとの身長差がある二階堂が東京出身との設定で埼玉を馬鹿にしていたが、今回は杏がGaｃｋｔと絡むがGaｃｋｔと身長がほぼ同じでインパクトがなく、彼女の出身地が実際には東京というところでちょとしらける。

　他の出演者たちはそれぞれ関西出身を集め、とはいえ総花のようでこの配役が生きていたとはおもえない。

　CG合成もあるのだが、とにかくバタバタするだけで、前作のような爽快感はえられなかった、との感想をもった。劇場のお客さんの笑い声も前作には及ばなかった気がする。