怖い絵本 | きつねの部屋ブログ版

怖い絵本

 どうやら再放送らしいが、NHKEテレで過去に放送された「怖い絵本」をベースに、冬スペシャルとして作家の京極夏彦とマルチタレントのんが、日本に残る民話や怪談話を京極自ら本にしたものなども紹介しつつ、怪談や妖怪とはなにかとトーク。

 

 「怖い絵本」の放送構成は一様にまず俳優が日々に起こるであろう生活を描き、そしてふと古いタンスや本棚にある「怖い絵本」を手に取り、その中に描かれている世界に誘い込まれる。そして再び”今”に戻るとその描かれた本のとおりに………。

 

 このオリジナル番組は昨年から3年に亘り、21編ほど放送されたらしい。今回はその内に選ばれた5編が放送された。主に絵本作家が物語と画を描いたものであるのだが、文章と画とは別人が描いたものもある。今回のスペシャルでは京極夏彦が執筆したものも含まれる。

 

 こうしたNHKEテレによる「怖い絵本」の放送構成や怪談話を、京極夏彦とのんとのトークの題材とし、間にのんも含めた若手俳優陣が「怖い絵本」の朗読と現代編の主人公を演じたエピソードが再放送された。

 

 それぞれのエピソードは10分程度のもの。まず画面に俳優(主に女優)が登場し、場所は古い旅館であったり、神社、かやぶき屋根の古い家屋であったり、田圃であったり。あるいは祖母の葬式が済み、祖母の家で跡片付けをしてるときであったり、変わったところで町にある中華料理店での話しが導入部となり「怖い絵本」へと導かれていく。

 

 まず絵本の絵は静止画で基本動かない。しかしその際背景は動かずとも人間を含めた動物(主に猫)だけが動いたりすることもある。また静止画なのにその一部である人物もしくは物の怪なのかがアップになり画面に挿入される、など、静止画に様々な技法を用い「怖く」するのだ。当然画家により、大きく絵のタッチは異なる。

 

 今回選ばれたエピソードの題名、朗読・主演を記する。

 

 「いるのいないの」・のん 「ことりぞ」・松本穂香 「とうふこぞう」・鈴木福 

「ざしきわらし」・上白石萌音 「しびと」・石井杏奈。 

 

 朗読する演者たちがエピソードの前後のドラマパートにでてくる”今”から始まり朗読終了後に再び”今”にもどるのだが、そこが一番の見所となっている。

 

 同じEテレで放送されているハッピーエンドな「おはなしの国」で登場する白雪姫や、花咲じいさんなどと同じように語り手とドラマの主人公を演じる俳優が一人演技、もしくはそれとは異なり共演者もいるようにみえる構成である。が、とにかくオチがコワイ。これは人間にある表と裏、陽部と陰部の関りが深いとわたしはみる。

 

 皆もっているんですよ、この心の構成は。

 

 この「怖い絵本」の放送、いままで気が付かなかったことが悔やまれる、のだが現在もEテレで放送中だ。