霧島カレンと金子みすゞ
NHK教育テレビの高校講座で放送中の『ベーシック国語』。いつもは金田一秀穂先生が生徒のタレント霧島カレンとオウムくんこと漫才芸人ナイツの土屋伸之に授業させる形で進行する。
毎度ながらカレンのボケ、といっても天然なのだがこれが可愛くてオカシイ。しかしけっして彼女は芸人ではないので授業への真剣さは伝わってくる。
そんないつもの形とちがい先週の放送はカレン一人が山口県長門市仙崎に訪れ、金子みすゞの足跡をたどる旅をする。
最初自分がどこへ来たのかが良く分からず展望台から仙崎岬にある三方を海に囲まれた広い街並みを見下ろす。スタッフが「どうですかこの景色は」と聴くと「今日は”冬”とは思えない天気で”寒い”ですけども…」というご返事(#^^#)。
そこが彼女の可愛らしさ。彼女のご主人、毎日楽しいだろうな。
そこでスタッフが金子みすゞの写真を見せ、「この人は誰ですか」と聞く。するとカレンちゃんは「友達が多くて町で一番の世話上手。”お母さん”みたいな人」。
半分正解。
仙崎の街中にある「金子みすゞ記念館」の前で金子みすゞの代表的な詩である「こころ」をカレンが読む。
「お母さまは 大人でおおきいけれど、 お母さまのおこころはちいさい…」
スタッフがこの詩は誰目線で描かれたのかと尋ねるとカレンは「お母さん、いや自分の事はお母さんといわないか」、「子ども」と答える。
その後「金子みすゞ記念館」の中に入り館長代理から金子みすゞの人となり、詩人としての作品、評価などを説明され、彼女は結婚し、出産したが子供を夫にとりあげられ離婚。
カレン、彼女の生き方を聴き「今日学んだことは、本は結末はあるけれど、詩は結末がない…」であった。つまり完結するものというより詩は、読んだ人の心を膨らませ、小説より抽象性の高い物と認識したようだ。
その後金子みすゞが眠る墓地に詣でる。そこには金子みすゞの読んだ番組冒頭の母と子の詩、「こころ」が碑としてあった。
カレンが改めて神妙にその詩を読む。
子ども目線の詩のようだが、母のおもいが一杯つまった詩であるとカレンは納得する。「愛の一個」とカレンの最後の一言。
みすゞの“こころ”は彼女に伝わったようだ。