VIVANT
TBSの日曜劇場『VIVANT』、いつものようにしょっぱなはハデで始まった。モンゴルで数か月間ロケしたという効果抜群の初回は目を引き付けるに充分すぎ、おつりがでるくらいだ。
堺雅人、阿部寛、役所広司、がいきなり登場、全編アクションの連続で息つく暇もなく、怒涛の展開。
いま民放でこれだけのスケールで撮影できるのは日曜劇場だけだろう。恋愛に絡めた話をちまちましている他の局のドラマはぶっ飛んだ。
ファーストシーンは砂漠を歩く堺雅人。一転東京の大勢の人間がいる総合商社のフロアに移り、なぜ彼が砂漠の真ん中を歩かなければならない原因が示された。
彼は1億円を中央アジアにある企業の仲介者へと送金したが、それが10億円にすり替わっていて、その金を取り戻すために派遣されたのだ。
もちろん誰かの陰謀で、そのことが世界規模のテロ集団とかかわっていることを彼はまだ知らない。
現地でだまされ、タクシーで運ばれた砂漠の真ん中に取り残されなんとかたどり着いた家で救われるもその家族と一緒にオワシスのある町までいき、送金先の件の人物にあったとたん、彼は自ら爆死。なぜか警官もその男を捕まえようとしていた瞬間で、堺だけが生き残り、病院に収容されるも警官隊の幹部から警官殺しとして追いかけられるはめになる。
そこで出会った日本人の大男(阿部寛)、そして人道支援のため病院に派遣されていた日本人の医者(二階堂ふみ)たち3人して大平原を車で逃げることになる。
後ろからは警察隊の車列がライフルや拳銃を撃ちまくりながら彼らのクルマを追いかける。こんなド派手はアクションができるのも視聴率のいい日曜劇場だからか。
阿部寛はその国の日本大使館に勤める日本の公安部の警官。堺が送金した金が国際的なテロ集団に亘ったらしいと堺から事情を聴くために助けた。
二階堂はただ巻き込まれただけなのだが、とにかくその国の首都にある日本大使館まで逃げればならない。
しつこい警察の追及を逃れるために遊牧民に変装したり、騙したり、しながら首都までたどり着くも大使館への道には何十台ものクルマのバリケードができていて、それらを蹴散らす装甲車まで使い三人は日本大使館へと向かった。
で、なんとか大使館へとたどり着くが、これからが本番。堺が聞いた言葉「VIVANT」とは何だ、人の名か、組織なのか。
ここまでド派手な初回は日曜劇場といっても初。掴みはできたが、むしろ大きな風呂敷を広げて小さい話にならなければいいのだが、と心配している。
堺もいつものような気丈な役ではなく、軟弱なサラリーマン役でいまのところ阿部寛に負けている。が、堺にはもう一人別の人格が隠れているという設定になっていて、これからが楽しみ。
これほどのアクションができる日本のドラマ。しかし息切れしないかそれも心配。