見上げてごらん夜の星を | きつねの部屋ブログ版

見上げてごらん夜の星を

 「見上げてごらん 夜の星を」、この歌曲は1960年のミュージカルのために作詞永六輔、作曲いずみ たくが提供したもの。

 

 他の歌手が歌っていたものを坂本九がカバーしたのだがこれもまた大ヒット、「上を向いてあるこう」と連動するような歌詞が日本人の心をうった。

 

 「上を向いて歩こう」は軽いタッチでリズミカルに歌える歌であったが、「見上げてごらん夜の星を」は、こころの憶測にある人を信じるという内容で歌い上げる。

 

 おなじ一人ぽっちでも周りには人がいるよ、と誰かがキミを応援しているよ、と聞こえる。

 

 実際子供の頃のわたしも好きな歌だった。孤独、ではなかったものの人の心の中にある寂しさと世の温かさえへの憧れ、そして見知らぬ誰かが応援していることを歌った歌だといまでもおもっている。

 

 昨夕、ウクライナ出身で現在10年ほど日本に滞在しているオペラ歌手のオクサーナ・ステパニュクさんが「しゅと犬クン」で人気のNHK関東ローカルニュース番組「首都圏ネットワーク」に生出演し、祖国の窮状を訴えた。

 

 インタビューのあと、この「見上げてごらん夜の星を」をアカペラフルバージョンで熱唱。今のウクライナの人々の思いが詰まった、そして希望を与える歌唱を披露、聞いているこちらも感動し、涙が目の奥から自然に滲みでてきてしまった。

 

 この歌を現在苦境にたたされているウクライナの人々へステパニュクさんが歌う。その伸びがあり、力強い高い声質で歌い、今のウクライナの現状に思いを重ねて聴くと、それはもうウクライナでの出来事が他人事とはおもえず、心が震えた。

 

 そのすぐあと上原光紀アナがニュース原稿を読むシーンに移ったが、彼女も歌に感動し、すぐに顔をあげられず正面を向いても顔がくしゃくしゃになるのをこらえている様子がみてとれ、なおこの歌に力があることを証明した。

 

 久しぶりに聴く「見上げてごらん夜の星を」に出会えてよかった。