警視庁アウトサイダー | きつねの部屋ブログ版

警視庁アウトサイダー

 以前ここで紹介したドラマ『警視庁アウトサイダー』。今期の中では一番おもしろいドラマになっていて、改めて紹介したい。

 

 いわゆる刑事ものであって、犯人捜しがメイン。警視庁のある所轄に組織暴力対策課から捜査一課へ移ってきたのが西島秀俊扮する丸暴刑事。

 

 彼は根っからのマルボウ体質。しかもその風貌からは想像できないほどの、人が針でさしたほんのちょっとの血を視ても(写真であっても)卒倒するくらい血には弱い。

 

 あの公安臭が漂い、端正なポーカーフェイスで何事にも動じじない刑事役が十八番(おはこ)の西島がかなりボケる。

 

 その意外性がまずウケル。

 

 そしてバディーを組むのが濵田岳。彼は捜査一課のエースで頭が切れ、数々の事件を解決してきた。が、彼には秘密があって偽名でこの所轄に勤務している。

 

 そしてこの二人に絡むのが所轄の人事にいた女性警察官である上白石萌歌。リコンハしたが父親が警視庁のNO2。母親ももと警察官という一家に生まれたこともあって、本人の意思ではなく警察官になってしまった。

 

 最初の勤務は内勤の広報課。ところが捜査一課の人員が足りないために望まない一課に配属されて、西島と濵田と組まされる。

 

 とにかくこの3人がそれぞれ相手のボケにツッコムを入れ、それが笑いを誘い、本筋であるシビアな事件までも笑いに変えてくれ、これが今までの刑事ものとは大いに異なる。

 

 ユーモアというより演芸のお笑いを観ているようなシーンも多い。基本的には西島に濵田が、上白石萌花に二人がツッコみ、上白石が二人にツッコミ返す。

 

 例に挙げると、『科捜研の女』の榊マリ子が何の気なしにボケるのを解剖医師の風見先生がツッコむような、あれを主役3人が交互にやっていると思ってもらえばいい。

 

 で、このドラマの本筋は、濵田の元警官の父親が女性殺しでの無実の罪で裁判にかけられ、懲役刑をうけ収監され、それを苦に自殺を図ったが命はたすかったもののこのことから濵田が名を替えて警察に潜り込みその殺人事件の真犯人を探し出す、というもの。

 

 その濵田の目的は先週、先々週の放送で残りの二人も知ることとなった。

 

 警察の大物が関与していると推察されるのだが、まだ正体がわからない。しかし日々別件の殺人事件を解決しているうちに、すこしづつヒントが集まってきている、というのが現在のところ。

 

 とにかくここまで笑わせながらシビアな秘密捜査を行うという刑事ものは、あまり記憶がない。

 

 西島と濵田、以前に『シェフは名探偵』で共演していた。その時も息があっていたが、今回も期待にそぐわずいいコンビである。

 

 またその時に絡んだ女優は石井杏奈であったが、今回は上白石萌歌。姉の

上白石萌音よりも大柄で、ボケ具合も姉よりは大きく見えてなかなかなもの。

 

 特にオジサンである西島と現代っ子上白石とのやり取りは大いにオカシイ!。

上白石が西島の指示に「エッ」をくりかえすと西島が「エッ」っていうなとか、彼女の「エモイです」が西島には分からず「なんだ、そのエモイっていうのは」と聞き返しても上白石は無視。

 

 濵田の追う事件、少しづつ真実にちかづいてきて、あと2,3話で最終回を迎える。