ピエロ
先日の『有吉のお金発見 突撃!カネオ君』でサーカスを特集していた。
日本で一番古く創設され未だに人気を誇る「木下大サーカス団」にカネオ君が侵入し、という設定だ。
わたしも子どもの頃に鑑賞したことがある。未だにサーカス、人気があるのだと懐かしい思いになった。
猛獣芸、球の檻の中での複数バイクの追走、メインイベントブランコでの空中芸などスリル満点のショウの合間、合間に客席に笑いを振りまくのは道化と呼ばれるピエロたち。
しかし、この道化者たちの中にはピエロと呼ばれる芸人は一人だけで複数いるのはクラウンという名の道化たち。
衣装、メイクなど見かけは変わらないようで、実はメイクや客に対する仕草はクラウンとピエロは違うのだと番組内で紹介された。
もういい加減オジイサンになっている私も子どものころから、サーカスでのピエロ役がどこが寂しげで道化ても笑えない何かがあるとはおもっていがが、理由はあった。
それはメイク。
他のクラウンのメイクには目の周りを赤く〇で囲ったり、口を大きくし見た目もおかしくするものだが、ピエロは両目に涙を描く。
だからか、ピエロに哀愁がただよい、人を笑わせつつ、でも哀し気に見えるのは。
彼だけが客を沸かすだけでなく、クラウンの中でわざと芸の失敗をみせたり、客に悪戯を仕掛けることができる特別な存在。
失敗も芸。次には見事に成功させてみせ、観客を感心させる。ここに健気さを感じさせる。
そうなのだ、彼を見て笑う事だけでなく、悲哀も感じたのはそうした理由があったのか、と随分年をとってから気付かされた。