斜め上
最近の流行り言葉で「斜め上」というのがあるらしい。わたしが現役のころにはそんな言葉があったかは記憶にない。
ただ当時も「垂直思考」ではなく「水平思考」という言葉があったことは覚えている。新しいモノづくりのヒントは上にあるとは限らず、すぐ隣にある、という事かと思う。
そこで最近は垂直でもなく、水平でもない「斜め上」なんだろう.。
以前紹介したNHKEテレの番組「2355」の姉妹番組で「0655」という名の番組がある。どちらも5分間の放送で朝の始まり、夜の終わりということを告げるといった趣旨なんだが、わずかな時間の中でホッとできる内容(コンテンツ)が詰まっている。
現在放送中の「0655」では「ナナメウエ音頭」というコンテンツがあって、アニメで3匹?の柔軟な体をもつ「動物」が「ナナメウエ音頭」を歌いながら踊る。
で世の中には不思議な名の動物がいると紹介する。「振袖エビ」とか「壺オットセイ」?だったかな。
とにかくあまり聞いたことのない名前の動物たちがいて、その姿を見るとなるほど名前のとおりだ、と合点がいく。ちなみに動画のナレーションは久保田祐佳アナ(初代『ブラタモリ』アシスタント)。最近は自然環境や動植物番組のナレーションをしていることが多い。
つまりこれが視覚的な「斜め上」なんだろう。
常識的には考えられないが、ちょっと視点を変えてみると意外なアイディアがでる、それが「斜め上」で垂直でも水平でもない、第3の空間にそれがある、ということなのだということを示唆する。
これが上ではなく下と名がつくとどんどんと落ち込みドツボにはまっていくのだろうが、上だから発展する、そういった意味で発想は上、しかしそのまま垂直に考えるのではなく、少し横道にそれながら上昇することによって意外なアイディアがでる、そんなことがこの言葉に込められている。
でもそういう風に考えられる人は多分「天才」と呼ばれる人が多い。普通の人の発想とはまったくことなる次元でものが考えられる人は確かにいるが、すべての人がそうなるわけではない。
アメリカのIT長者といわれる人はほぼそんな人達で、ただアイディアだででなく、他人を引き付ける魅力と、計算能力、そして失敗しても諦めない気持ちの強さをもっているから成功するのだ。
金持ちになるかはともかく、この「斜め上」的な考え方は有用だとわたしも思う。つまりは常識にとらわれず、ということなので、ちょっとした事柄でも視点を変えると素晴らしい考えがでてくることも否めません。