スカイツリーか東京タワーか | きつねの部屋ブログ版

スカイツリーか東京タワーか

 昨夕、月曜日の『5時に夢中!』を観ていたら、SNSの話題の中に「東京へ来た人に一番見せたいものは」という問いかけに対し、コメンテーターの人たちが意見を述べた。

 

 マツコ・デラックスは「お台場にあるホテルの上層階からレンボーブリッジ越しに東京タワーや高層ビル群を観るのが好き」といい、若林史恵も「1昨年までこのMXテレビにクルマで首都高を走っているときに芝公園あたりで見える東京タワーの姿がいい」といった。

 

 で、MCのふかわりょうが「スカイツリーは?」と聞くと若林、「スカイツリーはねぇ…」と言葉を濁した。

 

 黒船特派員のイギリス生まれ、フィリピン育ちのガウも「断然東京タワー」といった。

 

 さて、東京にある2大巨”塔”での優劣は。スカイツリーができてから今日までどちらが東京のシンボルなのか論争、とまではいかないが、地方からでてきた人を案内するにはどちらに案内するものかと考えた人は多かろう。

 

 わたしは東京タワーができる時、次第に立ち上がっている姿を見、長じて勤め先が一時東麻布の東京タワーの真下にいたこともあって、東京タワー推しである。

 

 ほんと子度の頃から実際何回登ったことか。はじめて正月に着物を着た女の子とデートしたときも、東京タワーの展望室に連れて行った。

 

 スカイツリーができた当時(平成24年)、現在富山県に住む小学校の教師と教え子たちが集まった時、既に東京タワーの閉館時間が迫っていたが先生を東京タワーの方に案内した。着いた時には閉館にまにあわなかったが。

 

 それだけ東京タワーに思い入れがあるので、マツコや若林の意見を好もしくおもう。

 

 確かに高さは333mの東京タワーより634mのスカイツリーが勝る。しかし建っている位置がどうもイマイチなのである(墨田区の方ごめんなさい)。

 

 東京タワーは都心といえる港区の芝公園に隣接する山の手にあって、東京湾や銀座方面、墨田川の向こう側の下町が見える。東京湾もすぐそこ、真下には増上寺、首都高の環状線が取り巻き、西には新宿の高層ビル群越しに富士山が遠望できる。

 

 東京湾に接した晴海、お台場、レンボーブリッジと、ベイエリアとも近い。スカイツリーからもそれらは見える、しかしやや遠いのだ。その差は山の手と下町との立地の差だろう。

 

 東京タワー、ザ、東京の景色がそこにある。

 

 立ち姿もいい。ぬぅと棒状のものが上に伸びた印象のスカイツリーと、四つの足を踏ん張って立ち上がっている姿が雄々しく、高度成長した日本というイメージに合う。

 

 色も真っ赤な東京タワーと白系でモダンなスカイツリーとではアッピール度が異なる。印象としてはアナログとデジタルの差といってもいい。

 

 いまや東京タワーは先進性はなく、ノスタルジックな建物といっていい。しかし、それは戦後日本が歩んできた道にたつ道標ではある。

 

 パリにエッフェル塔があり、東京に東京タワーがある。それはけっしてスカイツリーではない。

 

 現在のテレビニュースで「正月だ」「花火」だ、「初雪」だ、「地震だ、雷だ」というときには圧倒的にスカイツリーが映ることが多い。だが昭和の人間としてはなんといっても東京タワーこそが東京のシンボルであるという意識は変わらない。

 

 おそらくこれからも「東京駅」「皇居」「東京タワー」、この3つは東京のランドマークとして記憶されると思うし、そう願っている。