ソーシャルディスタンス | きつねの部屋ブログ版

ソーシャルディスタンス

 政府の緊急事態宣言が解除され、コロナと一緒に暮らしていかなければならなくなった世の中。現在は第一波の時よりも感染者数が増え、しかし政府は重傷者の数が少ないゆえこれ以上の措置は講じないと、かたくなに経済優先の姿勢をつづける。で、益々感染者の数は増える。

 

 わたしたちは、コロナ以前と同じ生活様式は保てず、外にでるときにはマスクをし、人と人の距離をとることを強いられている。わたしは、この「ソーシャルディスタンス」をとることによりなぜか「人間」であるわたしたちが”人の間”にいることがイカンといわれているようで、なかなかなじめないでいる。

 

 もちろんそうしなければウィルスが蔓延し他人に感染させるということはわかってはいるのだが、人と人との距離を保つことが不自然で人間らしくなく、いかにリモートで相手に話しかけても、その人の実感は得られずとまどってしまう。

 

 人との距離が離れることがこんなにも辛いことなのかと、あらためて実感している。親しいとは時空は離れているが、心の中ではすぐ傍にいることだろう。あるいは今逢えないが、近い、あるいは遠い将来逢えるかもしれない、という前提があるから人とは付き合っていける。

 

 逢うとは物理的に肩を並べ歩くこと、顔を見合わせ近い距離で話し合えること、時に相手の体に触れること、それができない今がとても窮屈に思え苦しい。なので、ソーシャル(社会)では距離をとることが正解でも、パーソナル(個人)という点を考えるとどうにも納得できないものがある。

 

 仕方ないとはおもう、が、これは不条理だともおもっている。こんなことがいつまでつづくのか、暗澹たる気持ちのもっていく場がない。