フェイク動画 | きつねの部屋ブログ版

フェイク動画

 新型コロナウィルスの情報の中に「これはデマ?」といったものが流れ出す、今そんな危険な状況にある。

 

 真意不明のこうした情報は、SNSなど誰でもが発信できることによって拡散してしまう。記事、画像に加え近頃はフェイク動画なるものも一般的になりつつあり、これがこの先問題になってくるのでは、と懸念されている。

 

 どういうものがフェイク動画なのか。現在もテレビコマーシャルでも流れている防虫剤の老舗キンチョウのCMで笹野高史がいろいろな職業の人物になり、商品を宣伝するシリーズがあるのはご存じだろうか。

 

 ムキムキのボディービルダーのような筋肉質の体の上に笹野の顔がのっており、蚊取りスプレーを紹介しているCMだが、見たことがあるのでは。

 

 最近は相撲部屋に場所を移し力士の体に笹野の顔がのっていて、やはり蚊取りスプレーのCMをしている。これ、前回の筋肉マンと比べると格段に出来がよくなっており体と顔の動きがうまく連動している。

 

 AI技術の進歩に寄りこのようなことができた。

 

 このCMはご愛敬程度のものだが、深刻な事例も発生している。アメリカの例だがモデルをしているといっても一般の女性のスチール写真をポルノムービーの女優の顔とすり替え、あたかもその女性が出演し演技しているようにネットに流され、いくら本人ではないといってもどんどんと拡散される、という深刻なもの。

 

 本人が訴えてもそれが動画であると、より真実味が増し誰も信じてくれず彼女は途方にくれている。こうした例は彼女だけでなく有名女優版もあるとのことだ。

 

 これは遊びでだがオバマ元大統領の顔形をした人物がダンスをしながら歌っている動画、しかも声までそっくり。有名人といえどもこんなことはやらないだろうということをしている動画などがでまわっている。

 

 みなフェイクで、これはこの先とても悪い状況になることが考えられる。それは政治的な利用だ。為政者の発言を意図的に替える、ということが容易になるからだ。

 

 テレビの生中継では瞬時の加工は無理でも、ネットであればいかなる加工もできてしまう。人は顔がでればそれだけで本人と認識する性質をもっている。現在画像(写真)は修整という名のデジタル加工が容易だ。それが動画でできる、これは大変なことになる。

 

 動画が信用できなくなると、犯罪を認定する決め手にはなりえないことになり、意図的に仕組まれるとそこに居ない人がいたことになり冤罪を生んだり、反対に動画に映っていないとその場には居ないとされ、罪を逃れたりすることもできる。

 

 つまり客観性が脅かされてしまう。

 

 アナログ時代にはそれをするには大変な手間がかかったが、デジタルはこうしたことを容易に行うことが可能になった。特にAIは膨大な人のデーターを集めれば勝手に他人の顔を作り出せしゃべり方の間や唇の動きさえ本人とそっくり再現、声質もその人に似せることもできる。

 

 そういう世の中になったということである。