Blue 夏 感想 | きつねの部屋ブログ版

Blue 夏 感想

 『京都人の密かな愉しみ Blue 修行中-祇園さんの来はる夏-』を視た。やはり瑛二の祖母役であった江波杏子さんがドラマの中でも亡くなったという設定になっていた。

 

 嬉しいことにきちんとドラマの通夜のシーンで主人公の5人の若者たちが、彼女を弔っていたのが心に響いた。弔われていたのは瑛二の祖母松蔭タエでもあるし、それを演じていた江波杏子その人でもある。

 

 彼女の遺影が女優のボートレートであったことが胸をうった。その写真の笑顔、女優らしいポーズ、白の衣装、こうしてドラマの中で出演者ばかりでなくわたしたち視聴者も通夜に参列させてくれたことを番組スタッフに感謝する。

 

 あらためて江波杏子さん、ありがとうございました。ご冥福をおいのりいたします。

 

 で、もうひとりキャスト変更があった。陶芸家を目指す柚子こと相楽樹が吉岡里穂になった。理由は相楽の妊娠、結婚で、とりあえず女優業は休業ということでの急遽この交代が決まったのだろう。

 

 やはりというか、相楽と吉岡では雰囲気が随分と違い、すこし戸惑っている。相楽は陶芸家として自分を認めてくれない父親と対決しながらも自分の意思を貫く強さや仕事への迷いが演技にでていたが、それに比べると吉岡は線が細く感じる。

 

 吉岡の持つ雰囲気が相楽に比べると軽いのだ。今回は陶芸の作業そのものはでてこず、祇園祭を背景とした恋をテーマにしているので、むしろこうしたコンセプトには吉岡がぴったりなのだが、修行中というくらいで、5人の若者がそれぞれの分野で一人前になろうとする姿を描くのがこのドラマ。

 

 わたしがBlueに望むのは仕事に専念するも先行きが見通せず時に悩む彼ら。残念ながら吉岡には相楽が前作まで培った陶芸に挑む覚悟は感じられなかった。

 

 またテーマが「祇園祭」ということで、いままで仕事で悩んでいる5人の行動シーンがドキュメンタリーパートの間には必ず挟まれていたのに今回は説明のみ。終始番組全体で祇園祭の蘊蓄、情報を聞かされて終わった感があり、それはそれでよかったのだが多少物足りなさは残った。

 

 師匠と弟子、それぞれの仕事においてこのコンビのありようが、そもそもこのBlueであり、修行中なのだろうし。それにつけても瑛二は師匠をなくし、これからどうするのだろう、とても気になる。

 

 今回は祇園祭そのものの情報は聴き、楽しませてもらった。次回は仕事で悩む彼らを視たいものだ。でもいつもながらシーンの構成は見事でぴったりはまっていたのはさすが源孝志監督脚本、すごい。

 

 あ、大原千鶴子氏と松尾剛アナとのやりとりがおもしろい料理コーナーはいつものとおり快調、よかったぁ(#^^#)