ゲートル
ゲートル(英語)とは旧陸軍の使用したズボンの脛(すね)に巻いた幅の狭い帯のことで「巻きゲートル「ともいう。これに対し海軍などの水兵の間で使われるのはスパッツと呼び、短めの一枚布でくるぶしの周りだけを覆う。現在、山登りなどに使われるスパッツやゲーター(ドイツ語)は用途としてしては同じようなもの。
巻きゲートルだがズボンの裾から脹脛に巻くことにより足の上げ下げなどの動きを楽にさせるもので、これで運動能力が一気に高まる。特に雨にあたりズボンが濡れると足にまとわりついて足の動きが悪くなるが、ゲートルを巻くことで膝がフリーとなり行動にそれほど支障がないので走り回り、歩き回る陸軍には必需品だった。
またサポーター効果もあって、更に動きを良くする。こうした効果は現在のスパッツ、ゲーターにはない。
登山で使用されるスパッツ、ゲーターの役割は登山靴に小石がはいらないよう、雨が入らないよう、泥水でズボンの裾が汚れないよう、といった目的で使われる。
わたしが登山を始めたころはロングスパッツといって、ひざ下まであったものだが、近頃は短めのものが好まれるようだ。このロングスパッツを山で使っている人には年配者が多い。当時はカッコよかったのだが今は昔(#^^#)
それを山ガールブームの時にスパッツをゲーターと呼び変えなぜか必需品のように喧伝されてはいたが、必ずしも必要な山装備というよりはファッションとして、のほうが選ばれる理由なのかもしれない。
最近の山ズボンは昔と違い伸縮性がたかまっていて、わざわざ膝をフリーにする必要がなくなったこともあるのだろうし、男女とも短パンと下にサポートタイツ(
これもまたスパッツという)を履くようになってきているので、足元や脛の装備は必ずしも必要なくなっている。
ああ忘れてはならないのはスパッツにしても、ゲートル(ゲーター)にしても西洋から入ってきたものだが、同じような用途で日本人が長年使ってきたのが脚絆である。わたしも植木職人のまねごとをしている時には使用していた。
で、登山をするようになったときにもロングスパッツではなくこの脚絆を足に巻きいきがっていたものである。沢登りのときなど足の動きをスムーズにしてくれる脚絆、昔の人間はいいものを発明してくれた。いまはウェットスーツの素材を利用し、同様の目的で沢登りアイテムとしてあるようだ。
なぜこんな話をするのかというと、現在どのテレビチャンネルを視ても終戦記念日である8月15日を見据え、毎年ではあるがあの戦争を題材にしたドラマがながされていて、男子がこのようなゲートルスタイルで歩く姿が映し出されていたのでちよっと気になった、ということだけです。