聞いた話・・・
もう、10年以上前になるか。
とあるショップが、こう言ったのだとか。
「バルブシート加工に、タコ棒とやらを使って、パンパンやってるのは、単なるパフォーマンスに過ぎない」
ここで、ちょっとピンと来ない人に向け、解説しますと・・・
ヘッド内部に装着されている、バルブ。
まず、吸気側(インテーク)と排気側(エキゾースト)の言わば通り道に、フタみたいなモノがあり・・・
これをロッカーアームという部品で、バルブを開閉させるんですが・・・
インテーク・エキゾーストの両方が完全に閉じた状態で、燃焼室内の混合気が圧縮され爆発します。
分かりやすくいうと、こんな感じです。
で、当然、「密閉」された状態でなければいけないので、バルブが完全に閉じた状態であっても・・・
バルブの密着面に僅かな隙間があったら、そこから混合気や排気ガスが漏れてしまいます。
バルブが閉じたら、完全に密閉されなくてはならず、仮に隙間が生じていると、当然密閉されるように加工する必要があります。
バルブシートの加工あるいはカットなどと言ったりします。
じゃあ、具体的にその加工法とは・・・!?
結論から言いますと、バルブシートをカットする為の、「専用のツール」があります。
多分、近日中に、愛車ショベルのバルブシート3面カットの作業風景を、見物させてもらえると思います。
その時に専用のツールを紹介致します。
専用のツールを使って、作業時間はどれくらいか・・・
タコ棒!?・・・やらを使うとしても、所詮は鉄と鉄が「小さな面」でパンパン当たっているだけ。
一方、ツールを使えば、シートカットする作業自体の所要時間は、ものの数分くらいだと思います。
そもそも、そんなタコ棒を使ってのシートカット(などと言って良いのかどうか)など、もはやカットしているとは到底言い難い。
そりゃあそうだ・・・
鉄と鉄が、ただ衝突しているだけだから。
少しずつでも削れているなら、ともかく。
大体、そんなタコ棒など、ハーレーのバイブルのどこにも記載されていない。
当然、自分のショベルを作業してくれている、Hさんも・・・
「タコ棒!?・・・そんなの、持っていない」
・・・です。
ちなみに、タコ棒を持っていない事を危惧して、「タコ棒持ってないの?ヤバくね??」などと思っちゃった人。
その発想こそが、「ヤバくね!?」と自覚しましょう。
つまり・・・
冒頭で紹介した、某ショップが「タコ棒は、単なるパフォーマンスに過ぎない」と言うのも・・・
そのパフォーマンスに、なんの意味もないと言う事を、声を大にして言いたかったのだろう。
もう、10年以上前の話です。
ただ、バルブが閉じたら密閉していなくてはならない・・・と言う事実だけは、なんとなく理解しているようで。
だからこそ、ほとんど意味の無い、鉄と鉄を衝突させて摩耗させて面を出す事を期待でもしてるのか・・・
一体、その行為・・・面が出るまで、どれくらいの時間を要するのか・・・!?
何十時間も無駄に労力を費やすより、専用のツールを使えばものの数分程度で終わる。
掛かっても、数十分である。
もう一つ。
バルブ面の状態を確認する方法として、単純明快な方法がありますが・・・
タコ棒を駆使してパンパンやってるショップのほとんどが、その痕跡が見当たらない。
見たらすぐ分かります・・・「付着してる」ので。
その付着した痕跡すらない状態で、どうやって見極めたのか。
最後に、もう一度。
「タコ棒でパンパンやってるのは、単なるパフォーマンスに過ぎない」
要するに、「やってますよアピール」でしょうねぇ。
ʅ(◞‿◟)ʃ
ちなみに、そこのお店。
エンジンOHの際、必要不可欠な「バランスとは何か」・・・と言うのを、分かっていないようです。
何度も何度も、繰り返し計測している様子を、まず見た事がない。
平均値を算出し、ウエイトを導き出す行程。
それが出来ないから、外注に出す・・・と言うなら、まだマシである。
そこは外注に出さず、スルーしてしまっている。
これ、かなり危険な行為です。
開業して、5年かそこら・・・だそうだが・・・
クランクシャフトの芯出しに過ぎない行程を、「ウチはバランス取ってます」などと・・・
明言しちゃあ、イカンと思うがねぇ・・・。
ʅ(◞‿◟)ʃ