バランスの重要性は、プロなら熟知していて当然!
いよいよ、愛車となるショベルヘッドのエンジン・・・
・・・の、バランスファクターについて、本格的に着手していきます。
この行程に突入する際、是非ともその一端だけでも立ち会わせて頂きたい・・・と。
お願いしてました。
で、本日、Hさんより「バランスを取っていきます」との知らせを受け・・・
急いでお店へと向かいました。
その「バランスファクター」ですが、ドコのお店でも取り組んでいる訳ではありません。
存在すら知らない、あるいは重要性を知らない・・・
動画ではチラホラと散見します。
「ウチではキチンとバランスを取っています」
的な内容で、動画は確かに散見しますが、ちょっと待った!
バランスを取っている・・・と主張する、そのエビデンスは!?
動画で一切見掛けない、その理由とは!?
まさか・・・熟知していない!?
それとも、敢えて手の内を明かさない!?
まぁ、確かに・・・Hさんも「後者」のスタンスです。
ただし、手の内を明かさない・・・と言うより、もはや明かすまでも無いくらい、常識的なものと言います。
つまり、ビンテージハーレーのエンジンのOHを得意としているお店さん・・・
であれば、知ってて当然。
それくらいの事です。
その上で、このブログをご覧下さい。
まずは・・・コンロッドの重量の測定から。
大端部が「二股」ではないので、これはフロント側のコンロッド。
当然、リヤ側のコンロッドも後に測定していきます。
以降、画像メインでお伝えしていきます。
それでも、プロを自称するなら、画像だけでも大体は理解出来るはず。
何を、どうやっているか・・・分かりますよね。
これら全て、欠かす事の出来ない行程です。
ただ単に、「大端部・小端部」の重量を測定する為・・・だけではないんです。
しかも、一回だけの測定ではなく、「平均値」の算出です。
実際のグラム数は、全てメモしておりますが、ここでは割愛します。
次・・・ピストンを主体とする、「レシプログループ」の合計を計測します。
当然、ピストンピンやピストンリングも抜かりなく。
次に、「ロータリーグループ」の重量測定です。
そして、今まで計測してきた、大端部・小端部のそれぞれの平均値と、上記の数値を加え・・・
メーカー指定の係数を含めて・・・
1248gという、ダミーウエイトの数値を割り出す訳です。
全てはこの、「ダミーウエイトの数値を割り出す為」の重要な行程でした。
ひとまず、ここまでで「ワンセット」。
ユーザーである自分が理解するには、ここまでの行程を理解していければ充分。
ただ、プロであるHさんは、ここまでやってきた行程を、あともう「ツーセット」ほど消化するとか。
そうしないと、信頼に足るだけの「確度」が出せない、と。
さすがHさん・・・妥協を一切しない、徹底した作業です。
ここでちょっとだけ・・・
重量測定の「悪い例」を紹介します。
こういう測定方法は、全然ダメ・・・ハナシになりませんよ。
これ、一見すると「小端部を測定」しているように見えますが・・・
プロを自称するなら、ドコが悪いか、言うまでもありませんね。
仮に、ドコが悪いか分からないお店さんが居たとしたら・・・
それ以前に、この「バランスファクター」の重要性が分からないというお店さんが居たとしたら・・・
今後、ビンテージハーレーのエンジンには、迂闊に手を出さない事をおススメします。
そうじゃないと、ユーザーさんが困る事になります。
で、ダミーウエイトの重さを確定したところで・・・
こうやってダミーウエイトを取り付けて、ウエイトがどこの位置でもフライホイールが回転せずに静止しなくてはいけません。
なぜ、ここまでの行程が必要か。
それが分からないお店さんは、かなりヤバいです。
極端に言うと・・・
ホイールバランスが全く取れていないタイヤが装着された車で、高速道路を走るようなものです。
まず・・・まともには走れないですよね・・・!?
ハーレーにも同じ事が起こります。
特に、バランサー非装備のエンジンであれば、尚の事。
結論
メタルワーク主体のカスタムも良いですが、まずは・・・
ビンテージハーレーのエンジンを、まずはOHする事。
いくら小奇麗に外見をカスタムしても、肝心のエンジンが全くダメなら、話にならない。
全国のハーレーのオーナーさん。
小奇麗なカスタムとエンジンのOH。
優先順位はどっちに・・・!?