Hさんが、ショベルエンジンのケースを割って見せてくれました。
謎は深まるばかりです。
割った状態から、推測するしかありません。
フライホイールに穴を開けて、一応バランスを取ろうとした形跡が見てとれます。
それにしても、固着したコンロッドが、あまりに不自然です。
普通なら、この位置では静止しません。
どのみちケース内部は、殆ど刷新されるので、問題は無いのですが。
更に分割していきます。
フライホイールがショベルのものではありません。
固着したコンロッドが付いているホイールは、ピニオン側。
左下のホイールが、スプロケ側です。
このスプロケ側だけが、ショベルのものでは無い。
コンロッドが付いているホイールの中心をご覧下さい。
大きなナットで、シャフトを固定しているのに対し、もう一枚のホイール(スプロケ側)のシャフトには、あるべきナットが見当たらない。
つまり、これがショベルのホイールではない、動かぬ証拠なのだとか。
大きなナット留めのホイールは、どうやらショベル純正らしい。
本来装着されているハズの、もう片方のショベル純正のホイールの行方は・・・?
この、左右ほぼ同じ厚さのフライホイールが示す意味とは。
本来、ショベルのフライホイールは、こうなります。
左右のホイールの厚さが、明らかに違うのがお分かりでしょう。
当然、右のホイールのほうが、厚いぶん重たいです。
それを敢えて薄いホイールにしている・・・。
そして、カムシャフトは、ハイカムが装備・・・。
極めつけは、今回は使わない、モーリスマグネトーの存在・・・。
Hさんが推測するには・・・
「アメリカのビルダーが、高回転寄りのエンジンに仕上げたかったのでは」
・・・との事。
重たいフライホイールを少しでも軽量化し、高回転域までの到達時間を短縮したがる。
アメリカのビルダーに、よく見られる傾向らしいです。
ただ、今回のコンセプトとは、およそ真逆なスタイルである。
高回転域までの到達時間は、どうでも良い。
ショベル特有の大きなトルクをスポイルさせたくはない。
幸か不幸か、ストローカーまでは組まれていなかったが。
組まれていたとしても、純正に戻していたので、これも特に問題は無い。
今回、取り付けるフライホイールは、こちら。
ショベル純正のフライホイール。
当然、中古ですが、バランス取りの為の穴も含め、全く問題無し。
厚さの違いを、二枚重ねて確認してみましょう。
薄いほうが、ピニオン側で、厚いほうがスプロケ側になります。
このフライホイールを含め、内部はほとんど、別のモノが装着されていきます。
ケースは、まだ未定ながら、今回のケースをそのまま使う事も視野に入れています。
ただ、このまま・・・ではなく、ケース内部全面にグリプタルを塗ってくれます。
その様子もいずれ紹介していきます。