ショベルのエンジン、まずは早速Fバンクのシリンダーを外してくれました。
いきなりバイク屋さんのHさんも、驚きの結果に。
どうやらクランクピンとコンロッドが、固着してしまっているようで動きません。
画像では判別出来ないかも知れませんが、通常この状態なら、コンロッドが保持されずケースに接触します。
また、この状態でピストンを動かそうとすると、ケース内部のフライホイールが回転して、ピストンがレシプロ運動します。
ところが、このエンジンは、まるでロックされているかのように動かない。
まずは、いずれケースを割って、クランクピンの状態を詳しく確認する事に。
それにしても、Hさんが言うには、ショベルでこの症状は珍しいようです。
クランクピンの固着は、まるでエボによく見られる症状だ、と。
むしろショベルのクランクピンは、摩耗してガタガタになるのが多いそうです。
これがまず、謎を呼ぶ症状である。
続いて、更なる謎な症状が発覚する。
このピストン、新しすぎる。
Hさんが言うには、一度も火が入っていないのではないか?と。
青いマジックで、何やら数字が書かれているが、一度でも燃焼室に火が入った形跡があるなら、こんなマジックは消え失せる。
外した燃焼室内部も、目視してみる。
奥にはバルブが見えます。
一度も燃焼されていないと確信に足るだけの、キレイな内部である。
そして、この、モーリスマグネトー。
今回、この点火システムは採用しないが、なかなかに高価なパーツです。
一度も火が入っていないのにも関わらず、この高価な点火システムである。
そして、明らかに純正ではないピストンの存在。
全く、火が入った形跡が、見受けられない。
何より、ケース内部のフライホイールにも着目すると、ここにも異変が確認出来る。
ショベルの純正フライホイールを見た事がある人なら、納得出来るでしょう。
左右一枚ずつある、フライホイールですが、ショベルの場合左右で厚さが違います。
つまり、左右で重さも違います。
エボからは、左右同じ厚さに変わっています。
この、非常に重たいフライホイールが、ケース内で回転する事で、強力なトルクを発生させているのですが。
フライホイールの回転運動に対して、ピストンの動きは上下運動です。
ここについてはまた別の機会に、Hさんからレクチャー頂きながら、詳しく触れていきます。
で、このフライホイールです。
どうやら社外品のフライホイールが装着されているようです。
ケースに収まった状態でも、左右の厚さに殆ど差が無い事が確認出来ます。
あとは、ストロークが変わっていないか。
実際にケースを割ってみないと、さすがに確認出来ませんので、これは後々に。
ロングストローク化されている可能性が高そうという事なので、カムシャフトも見てもらいます。
社外のハイカムでした。
しかもオイルが乳化してしまっている。
このハイカムも、使いません。
ノーマルカムに戻します。
何より、クランクピンが固着している時点で、疑惑の目はケースにも及ぶ。
内部でケースが損傷していないか。
それでいて、一度も火が入っていないエンジン。
素材とはいえ、謎なエンジンだ。





