突然ですが何年も前からちょいちょい書いていた、グァンス社長、ヒロイン、ソンジェさんの三角関係ストーリーの続編です。
(カテゴリー「☆ゲー」より)
三人で喫茶店
二人で名古屋城
三人でパタヤ
に続くお話、『二人でZ○○M』です。
なぜZ○○Mなのかは、私が使ったことなく仕組みがよくわからないのでその表記にしました。
ゆる〜い感じで読んで頂ければ(笑)
完全に『三人でパタヤ』の続きになってますので、おさらいされるとなおお話が繋がりやすいかと思います。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スマホが震え、画面を開くとメールが届いていた。
『今から5分後に、Z○○Mな』
夏季連休中、グァンス社長からの突然の招集だった。
「あれ?他には誰もいないんですか?」
5分後、パソコンを立ち上げZ○○Mにログインすると映っているのはグァンス社長だけだった。
『休み中、ヒマしてるのは俺とお前だけだったんだよ』
「いや、私は別にヒマしてるわけじゃ…。
で、どうしたんですか?お休みなのにわざわざ招集かけるなんて」
『言っただろ、ヒマしてるって』
「だからって…」
『まぁ付き合えよ。あ、呑んでもいいぞ』
夏休みで、会社はもちろん休みだ。
休みモードなはずなのに、相変わらず社長はキマっている。
『いきなりメール送って、パジャマかと思ったのに。
慌てて着替えたとか?』
「違います。ちゃんと着替えてました」
『ははは、そうか』
スタバのボトルを掴んだ社長の両手首には、高そうなブレスレットが何連も重ね付けされている。
時計は最近のお気に入りのロレックス。
両手で何百万するんだろう?
私のお給料の何年ぶ…
『連休なのに、予定ないのか?』
「社長こそ。ゴルフはどうしたんですか?ゴルフは」
『一昨日行ったから』
「あ、そうですか」
そういえばちょっと焼けてるかも。
突然グァンス社長が遊び出し、背景画像をいろんな風景に変え始めた。
『やっぱこれだな』
世界一周し、落ち着いたのは南国の風景だった。
『…そういえばさ、前にソンジェさんと俺たちでタイに仕事に行ったよな』
「え?あ、はい」
『ウォーキングストリートに飲みに行った時、いつの間にか2人して消えてたけど、どうなったんだよ?』
「えっ?」
突然その話?
ていうか2人して消えたなんて、違いますけど!
『翌朝ゴルフだったし、そのあとはわざわざ聞くのも野暮と思って聞けなかったんだけどさ〜』
えー!今聞いてるじゃん!
『で、どうなんだ?』
「どうなんだ、と言われましても…。
第一あの時、ホテルへ帰りますって、私、言いましたよね?」
『そうだっけ?』
「言いましたよ!2人して…」
いや、この先を言うのはやめよう。
『なんだよ、変なとこで止めるなよ』
「もういいんです」
『言えって』
「…なんか、現地のお姉さん達に囲まれて写真撮られたりしてたじゃないですか」
『え?…あー!そうだったな。
まるで芸能人みたいな扱いされてな。
一般人だっつーの』
と言いながらニヤつき始める社長に、あの時の怒りが込み上げてくる。
『…ま、中に何人か男がいたけどな』
「あ、やっぱり?それで、まぁ…ゆっくり飲む雰囲気じゃなくなったので先に帰ったんです」
そう言って私は、朝作ったばかりのまだ生温い麦茶を飲んだ。
『ふうん…。あのあと、ソンジェさんもすぐお前の後を追おうとしたんだけど、かなり囲まれてたからな。
中々解放されなくて』
「そうだったんですか」
『ま、俺の方が人数多かったけどな〜』
「……」
『で、その後どうなったんだよ。一緒にいたんだろ?』
「その後って…」
『せっかく俺がお膳立てしてやったんだ。
うまく行ったんじゃないのか?』
お膳立て?
その発言には首を傾げたくなるけど、私はあの日のことを思い出していた______
…私は今、何をしたんだろう。
目の前のソンジェさんの肩には、しっかりとキスマークが付いている。
驚いたソンジェさんの表情が忘れられない。
「あ、あれ?すみません、私、まだ酔ってるかも__」
次の瞬間、腕を取られて2人でエレベーターに乗り込む。
「ソンジェ…さ、」
その先は唇で塞がれた。
2人だけを乗せたエレベーターが、ゆっくりと昇り始めた。