鼻がムズ痒くってたまらなかったので、
鼻をかんだら、右耳がキーンとしました。
もう一度かむと、左足がピキっとなりました。
さらにかみ続けると、また右耳が痛みました。
次はもしかして、また左足が痛むのかな?
そう思って恐る恐るかむと、やはりその通りでした。
僕は必ず左の鼻からかんで、
次は右、また左…、とかんで行きます。
ですので、左の鼻をかむと右耳が、
右の鼻をかむと左足が痛むということになります。
どうやら、左の鼻孔は右耳と、右の鼻孔は左足と、
それぞれリンクしているようです。
試しに、右耳を掻くと、また鼻がムズムズして、
左足をつねると、くしゃみが出ました。
人の体って、本当に不思議だなぁ、と思いました。
他にも、繋がった個所がないか色々と調べてみて、
色々と見つけたのですが、
それよりも、「つねる」という動作を、
実に久々にした気がします。
普通に生活していて、自分の体を「つねる」ことって、
そうはないのではないかと。
で、どんなときに、人は自分を「つねる」のか、
考えてみると、やはりそれは、
「これは夢かしら?」というときだと思います。
マンガやら何やらで見る、頬を「つねる」アレです。
自分の頬を「つねる」ことで、痛みの有無を確認して、
夢か現実かを判断する、あの合理的な「つねり」。
数ある「つねり」の中でも、最高峰の「つねり」です。
しかし、「これは夢かしら?」と思う場面に遭遇したとき、
簡単には頬に手が行かないものです。
昨日の深夜、家の中で奇妙な音がしていることに気付き、
目を覚ましました。
オクさんと一緒に、ビクビクしながら灯りを点けると、
部屋の中をコウモリが飛び回っていました。
全ての窓は閉まっているし、
最後に玄関を開けてからも、5時間は経っていました。
「なんでいるんだろう?」、「いつからいるんだろう?」、
そして、「もしかして、これは夢かしら?」と思いました。
しかし、「これは夢かしら?」に出会えたにもかかわらず、
頬を「つねる」ことが出来ませんでした。
せっかくのチャンスを、無駄にしてしまいました。
今後、二度とこんなことがないように、
「これは夢かしら?」のときの「頬つねり」を、
練習しておこうと思います。
先日の深夜2時頃に、アイツが飛び回る、
あの不愉快な音で目を覚ましました。
蚊。
なんだってアイツは、人の耳元近くをムォンムォンと飛ぶのでしょうか。
人の血を吸いたいのであれば、気付かれないよう羽音を殺して、
こっそり寄ってくればいいのに、と思うのですけれども。
何にせよ、一度ヤツに気がついてしまった以上、
退治しないことには、安心して眠れません。
灯りを点けて、憎いアイツを探しました。
しかし、こっちが見つけようとすると、決まって見つからないものです。
まったくもって迷惑なヤツです。
きっと、どこか僕からは見えない場所で仲間を呼んで、
「見ろよ、アイツ必死にオレを探してんぜぇ」
と、笑っていたことでしょう。
もしかしたら、睡眠中と起きているときでは、
呼吸の仕方が違うのでは、と思って、
隣で寝ているムスコの呼吸を真似てみましたが、
「アイツ、二酸化炭素排出量を調節しようとしてんぜぇ」
と、嘲笑う声が聞こえた気がしたのでやめました。
少しビールでも飲んだり、軽く運動したりして、
ヤツが寄って来やすい状況を作ることも考えましたが、
「今度は少しでも新陳代謝を活発にしようとしてんぜぇ」
と、バカにされるのがオチなので、
僕は、あえて全く違うことを考えることにしました。
―――こっちは別に、アンタのことなんか何とも思ってませんよ。
―――アンタのせいで起きた訳じゃあありませんよ。
と、ガッカリさせてやりたかったのです。
小学校の3~4年生のときに、彼は近所に引っ越してきて、
僕のクラスにやってきました。
家が本当にすぐ近くだったので、自然と遊ぶようになり、
彼のお兄さんやお姉さんとも仲良くなりました。
彼等兄弟は3人とも頭が良くて、勉強も教えてもらった覚えがあります。
しかし、彼は私立の中学校に行く準備や勉強で、
6年生になってからはほとんど遊べず、
無事に、中学校に合格した後は、顔を合わすことも一切なくなりました。
会うことがなくなって18年くらい経った今、彼のことを思い出しました。
けして長いつきあいではありませんでしたが、様々な思い出があります。
蚊は、二酸化炭素で人を探しているということも、
物知りな彼から教わりました。
ただ、ひとつだけ、どうしても思い出せないことがあります。
先日の深夜2時頃に、アイツが飛び回る、
あの不愉快な音で目を覚ましてから、
気がつけばもう1時間近く時間が過ぎていました。
ただ、アイツをやっつけたかっただけなのに、余計なことを考えたせいで、
ますます眠れなくなっていました。
彼の名前。
名前、なんだっけ?