82 対 78




今日、ムスコの学校は短縮授業のため午前で帰って来て、


僕は仕事が休みでしたので、近所のファーストフードへ、


昼食を食べに行きました。


ランチタイムからは、少し遅らせてお店に入ったので、


僕らの他に、二組のみで、とても静かでした。




注文を済ませて、二人で回転椅子で回っていると、


すぐに店員さんがオーダーを持ってきてくれました。


作りたてのハンバーガーと、チキンとフライドポテトと、


コーラがそれぞれ二つずつ。




二人とも回るのをやめて、まずコーラを口へ。


こういうお店や映画館で飲む紙コップのコーラって、


妙においしく感じるのはナゼなのでしょうか。




それぞれのオーダーを分けて、食べ始めよう、


としたときに、ふいに気になりました。


「フライドポテトって、何本くらい入ってんだ?」と。




容器から1本ずつトレイに出して、数えていきました。


それに気付いたムスコにも理由を伝えると、


ムスコも自分のフライドポテトを数え始めました。


50本くらいだろうと思っていましたが、


まだまだ出てきます。




結果が、最初に書いた、82本と78本で、平均80本。


意外とたくさん入っていました。




ちなみに、2本少なかった僕に、ムスコは自分のトレイから、


2本くれました。



入浴後、頭を拭いている僕の目に入って来た、


「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム」と言う言葉。


ヌルつきザラつきスッキリ落とす、浴室用の洗剤の、


主成分の名前だそうです。


なんだか、やたらと長いこの言葉が、妙に気に入って、


髪を乾かしながら連呼していました。


「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、


直鎖アルキルベルゼンスルホルン酸ナトリウム、


直鎖アルキルゼンベルホルホン酸ナトリウム…。」


口に出すごとに、少しずつ姿を変えて行く、


直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム。


それでも、懲りずにしばらく繰り返すうちに、


実はとても覚え易い名前であると気付きました。


「アルキルベンゼンスルホン」を2文字ずつで区切ると、


「ル」と「ン」で終わるため、とてもテンポが良いのです。


こうして、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムは、


無事に僕の頭に刻み込まれました。




この文の中で、執拗に書き込んでいる「直鎖なんとか」は、


全て直接入力しました。


口で言うのは3秒程度の言葉ですが、


打ち込みの遅い僕が書くのは、


その10倍くらい時間がかかりました。


必要性に欠ける言葉を、無駄な時間を使い覚えて、


さらに無駄な時間を使って書き表しました。


そんな、ある種贅沢な時間を費やしたこの言葉を、


有効に使って行こうと思います。




まあ明日起きたら、存在ごと忘れているはずですけれども。