入浴後、頭を拭いている僕の目に入って来た、
「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム」と言う言葉。
ヌルつきザラつきスッキリ落とす、浴室用の洗剤の、
主成分の名前だそうです。
なんだか、やたらと長いこの言葉が、妙に気に入って、
髪を乾かしながら連呼していました。
「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、
直鎖アルキルベルゼンスルホルン酸ナトリウム、
直鎖アルキルゼンベルホルホン酸ナトリウム…。」
口に出すごとに、少しずつ姿を変えて行く、
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム。
それでも、懲りずにしばらく繰り返すうちに、
実はとても覚え易い名前であると気付きました。
「アルキルベンゼンスルホン」を2文字ずつで区切ると、
「ル」と「ン」で終わるため、とてもテンポが良いのです。
こうして、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムは、
無事に僕の頭に刻み込まれました。
この文の中で、執拗に書き込んでいる「直鎖なんとか」は、
全て直接入力しました。
口で言うのは3秒程度の言葉ですが、
打ち込みの遅い僕が書くのは、
その10倍くらい時間がかかりました。
必要性に欠ける言葉を、無駄な時間を使い覚えて、
さらに無駄な時間を使って書き表しました。
そんな、ある種贅沢な時間を費やしたこの言葉を、
有効に使って行こうと思います。
まあ明日起きたら、存在ごと忘れているはずですけれども。