自由契約となっていた新井が、カープに復帰する事が決まったようだ。年俸はタイガースが提示していた額を大きく下回る2000万円。金額より出場機会を求めての自由契約なのだが、どれだけ出番があるかは本人の実力次第である。
・打撃は悪くないが
新井に期待されるのは打撃である。年齢的な衰えがあるとはいえ、長打力はまだある。スタメンで使い続ければ、打率2割6分に本塁打15本は達成できるのではないかと思う。エルドレッドやグスマンのいるファーストは厳しいとしても、サードで見れば昨年の堂林や鈴木よりは上に来る。しかし年齢的に伸び代は無いため、若手と大差の無い結果ではスタメン起用は無い。かといって代打での一発勝負に強いわけでもない。
打撃ではまずまず期待できるものの、打撃以外は不安要素ばかりだ。まずは守備。打球を追う姿勢は見せるが、キャッチや送球は下手な方に入る。また反応速度や俊敏性も良いとは言えず、サードとして起用するには難がある。しかしファーストは実績のあるエルドレッドに新外国人のグスマンがおり、よほどの打撃を見せない限り切り崩せないだろう。そして俊敏性の低さは併殺打の多さにもつながっている(併殺については、右打ちで強い打球を打てる選手ゆえという部分もあるが)。
・梵と木村の存在
新井のサード起用で一番の壁となるのが、梵と木村の存在だ。両者とも経験のある選手で、サード守備や走力では新井を大きく上回る。梵は打率3割も期待できる選手で、今年はサードでの出場が多かった。ショートで田中が一定の結果を残したため、来年もサードでの起用が予想される。新井をスタメンとし、盆を守備交代や代走で起用するという案もあるが、そこに待ったをかけるのが木村である。木村は守備備交代や代走に便利な選手であり、彼が健在であれば梵をそのポジションに回す必要は無い。若手がブレイクしなかったとしても、ベテラン同士の競争がある。
・個人的印象
個人的印象では、「代打・DH要員として2000万なら悪くない。」となる。新井の打撃・守備・走塁の総合力は高くない。若手や何年もカープでやってきたベテランをどけてスタメンにというなら、少ないチャンスであっても結果を出してもらうしかない。それができなければ出番を与える理由も無い。年齢を加味すれば、「当たればもうけ、。外れならポイ。」の扱いで十分だろう。本人も競争がしたいと言っているのだし、残酷なサバイバルをしてもらうだけである。
タイガースでは競争すらさせてもらえなかったかのような発言で自由契約の道を選んだ新井。しかし今年のタイガースを見ると、サードは今成・坂・新井(良)らが併用されており、けして固定されてはいなかった。その中で抜け出せなかったのは新井の責任である。天敵となるゴメスが呼ばれた理由も、2013年にファーストで140試合に出た新井が、打率・本塁打ともに平凡だったからではないか?
ファーストとしては打撃がイマイチで、サードとしては守備に問題あり。カープでも状況は変わっていない。タイガースでスタメン争いに負けたままの根性で来るのなら代打・DHとしての価値すらあやしいし、スタメンなんてとんでもない。カープがチームとして獲得した以上、ネガティブな予想はすべきではない。スタメンで文句無いほどの活躍をしてくれれば、それに越したことはない。
・カープファンからは厳しい言葉も その理由は?
と、獲得自体はけして悪い事ではないのだが、カープファンからは厳しい言葉も出ている。その理由は新井の発言による部分が大きい。
新井は長打力以外はお粗末な部分ばかりであったが、カープは地元出身の大砲として彼を起用し続けた。そしてようやくタイトルを獲るまでになったら、すぐにFA宣言でタイガースに行ってしまった。FA宣言自体は選手の権利であるから仕方ない。大きな怪我で突如引退に追い込まれる事だってあるのだし、良い条件を提示してくれるところでしっかり稼がなければ、自分や家族の一生をフォローできなくなってしまう。カープは健全経営との兼ね合いもあるし、そこですれちがってしまうのも仕方がない。カープの事情を良く知っているファンであれば、そこは理解している人が多数であろう。では何故新井がここまで叩かれるのか?その理由は、彼の発言にある。
新井は元々、「1つのチームで選手生活を終えたい。」 「FAなんて考えていない。」 「このチームで優勝したい。」などと発言していた。しかし結果を見ると、FAの権利を獲得するや否やのタイガース移籍。しかも黒田が「国内でプレーするならカープだけ。」という旨の言葉とともにメジャーに旅立つそのという、絶妙なタイミングで新井はカープの「敵」となったのだ。
カープ以外でも大成したであろう黒田と、カープ以外であれば大成できたかは疑わしかった新井。他球団からの高い評価を聞いても「カープを相手にする自分を想像できなかった。」としてチームに残ってくれた黒田。対して我慢の時期を乗り越え、これから貢献してくれる事を期待されていた新井。この図式に過去の発言も加わり、新井に対するカープファンの印象は非常に悪くなった。
そしてダメ押しとなったのが会見である。新井は泣きながらカープファンの感情を逆なでする発言をしていった。
「カープが大好きなのでつらい」 「喜んで出て行くわけではないのは理解して欲しい」
あれ?自分の意志で決めたんだよね?トレードで意図しない形で出るんだったっけ?慕う金本がいて、好条件も提示されて、「ぜひタイガースでプレーさせて下さい。」って事でタイガースと契約したんでしょ?黒田が「カープを相手にできない」って言ってくれたすぐ横で、こんな形でカープへの愛着なんざ口にするんじゃねえよ!・・・と怒り心頭だった自分を覚えている。
怒り心頭だったのは他のカープファンも一緒だったようで、試合では新井に猛烈なブーイングを浴びせるシーンも見られた。しかし当の本人は「野次る人より、自分の方がカープを愛している。」と発言。一部のカープファンの中では、新井なんてカープにいなかった事にしてしまうなど、新井に対する印象は最低のものとなって行った。その流れの後で今回の復帰である。戦力と金額とのバランスではアリだが、納得のいかないカープファンが出るのもやむをえないのだ。
・個人的感情
個人的感情としては、新井はどうしても受け入れがたい。カープには優勝して欲しいが、そこに新井がいて欲しくない。泣かず飛ばずで戦力外になり、何も言わずに去って欲しい。2000本安打のための温情起用なんて許せない。お願いだから、これ以上カープに足跡を残さないで欲しい。新井がカープに恩義を感じ、奮闘してくれる事自体は悪くない。だた個人的感情として、カープの新井をもう見たくないのだ。
あのクソッタレ会見さえ無ければ・・・黒田のカープ愛あふれる行動とのコントラストって図式さえなければ・・・それらが過去のしょうがない事だとしても、カープにさえ戻ってこなければ・・・彼の2000本安打も祝えたし、体の軸が傾いた流し打ち本塁打もいい思い出になっただろうに・・・なんでタイガースの選手として消えてくれなかったのかなぁ・・・カープファンになって25年以上になるけど、こんな思いでチームを眺める日が来るなんて・・・あんまりだよ・・・