つねじいさんのエッ!日記

つねじいさんのエッ!日記

家族みんなでワイワイガヤガヤ!そんな夢を見ながら日々の暮らしを楽しむおじいちゃんの日記です。

 さあ!はじまりはじまり~い!S家のみんな、6人は、揃って元気なのだ。でも、盆の顔あわせは、今年も超無理かな。お父さんはお弁当やの工場で連日大忙しのお仕事。お母さんは、スーパーのぱーとさん。お姉ちゃんは特養ホームで、やっぱりくったくったの連ちゃん。大学生のお兄ちゃんは、ただいま、アパートで一人暮らし。聞こえはいいけど、生活費稼ぎに、これまった、居酒屋のバイトで、もうダウン寸前なのだらしい。ちっちゃいおにいちゃんは、高校3年なのに、まだクラブ活動の現役を張っている。練習や試合と、ハードな毎日だ。(受験大丈夫かい?)。そして、小学校4年の末のおねえちゃんは、まだまだ子供子供で、日々遊びに忙しいのである!

 以上!どうなるかな?S家の明日は?乞うご期待あれ~~!(誰も期待してへんて。ねえ?)

題名・実は料理人なのだ

「食べて貰いたい相手を考えて作ってください。自分が美味しいと思えば、相手も美味しいんです。自信を持って食べて貰いましょう」

 目の前で子供たちは目を輝かせた。

 夏休みの子供たちにと企画した公民館主催の「キッズクッキング講座」は成功したようだ。ほっと胸をなでおろした講師の私。

 いまは白髪のおじいちゃんだが、引退するまで半世紀に渡り、料理を作ってきた。そこで得た知識と技術を用いて、料理の楽しさをみんなに伝えたいなあと考えた時、タイミングよく知人に頼まれた料理教室。待ってましたとばかり、料理教室の講師を引き受けた。

 講座も4度目。それまでは年齢を限らず、子供から年配者までの参加者を募り、和気あいあいと料理作りを楽しんだ。今回は子供に料理の面白さを知ってほしいと考えたのだ。

 私が料理と出会ったのは、小学生の時。暮らしていた田舎は農家が殆どで、地元の小学校は農繁期休みがあった。忙しい農作業の手伝いをするためだった。

「お前、メシ炊いてみるか?」

 農作業は親せきや隣人らが10数人手伝いにやって来る。その働き手の食事作りは大事だった。かまどにかけた大釜で、ご飯やおかずを炊き上げた。その様子が面白くて、いつも覗いていた私に声がかかった。反射的に「うん」と頷いたのは運命だったかも知れない。

 母の教え通りに炊いたご飯は、おむすびに握り、みんなのお昼になった。

「美味いのう、このメシは」「誰が炊いたんや」

 そんな誉め言葉が嬉しかった。台所は有頂天になった私の居場所になった。ご飯におかず、煮炊きが殆どでも、自分が思った出来上がりに一喜一憂する時間は貴重だった。

「美味いわ」「婿やなくて嫁さんになれるがな」

 大人の賞賛は、私と料理をしっかりとつないでくれた。中学高校は学ぶことが多くなり、料理を楽しむ余裕はなくなった。即席ラーメンを作って食べるくらいが関の山だった。

 社会に出て就いたのは、考えもなしに妥協で選んだ仕事で、6年続いたのは惰性に他ならなかった。

ある朝、朝刊の地域欄に「調理師学校」の募集チラシを発見。(これだ!)思い切って仕事は退職、調理師学校に入学した。授業は面白かった。やはり料理が好きなんだと納得した私。実習でいろんな調理器具を使い、調理法も思っていた以上にたくさんあることを知り、もう面白くてたまらなかった。

 卒業すると、学校推薦のレストランに就職。これがまた面白い職場だった。商工会議所の中にあり、経営者が大半の利用者で、パーティー料理など、楽しめる仕事が増えた。

10年働いて、自分の店を持つために退職。

「前向きな動機じゃ、やめるなとは言えないなあ。これからを期待してたけど、独立を応援するよ。いつでも相談に来てよ」

 職場の上司は快く送り出してくれた。惜しまれながらの退職は初めて、失敗はできないと気が引き締まった。

 退職から自分の店の開店まで二年。独立に必要なスキルを身に着けるための期間となった。簿記学校に通いながら、中央市場、駅中喫茶店、郊外レストラン、観光ホテルなどでアルバイト。もともとは洋食レストランのシェフだから、中華・和食・喫茶・コーヒー専門店などを渡り歩いた。性格的に臆病なので、十分なスキルを習得したかったからだ。

 念願の店は「喫茶スナック店」開店資金が少なくて済む小規模な店舗だった。それでも物件探しから改装まで、800万程度かけた。簡単には諦めないという覚悟の投資だった。

 結局15年頑張った。その過程で、結婚も子育ても叶った。よく頑張ったなあと今更ながら当時の自分を褒めてやりたい。

 好調だった店の営業を諦めたのは、4人の子供たちの教育資金の捻出のためだった。特別手当のつく深夜専従の弁当仕出し工場への転職に踏み切った。弁当仕出し製造は、深夜労働が常識。慣れるのに少し手こずった勤務も、リズムが掴めると、楽しめるようになった。中国・ブラジル・ベトナムからの研修生と、国際色豊かな仲間とのチームワークづくりも楽しい思い出である。

「巻けたよ。おいしそうでしょ」

 声をかけてくれたのは、料理講座に参加の小学生。彼が持つフライパンには、きれいに巻き上げたオムライスがあった。「上手に巻いたね。もうプロの料理人や」誉め言葉は自然に出た。彼は満面の笑みをくれた。

「これを食べて貰いたい相手は誰だい?」

「おかあさん。いつも作ってくれるんだ、おいしいオムレツ。でも卵の服が破れていたり、焦げたりするんだ。僕のは綺麗でしょ」

 胸を張って、得意顔を作ってみせた。

「料理するって楽しいだろう」

「うん、面白い!料理大好き!」

 新しい料理人の誕生だった。